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特集展「板締の世界--出雲藍板締・京紅板締・中国藍夾纈--」

古代出雲歴史博物館には、現在では幻の染色技術となっている板締染(出雲藍板締・京紅板締)の版木など、一大コレクションが所蔵されています。これを6年ぶりに一挙公開するとともに、中華文化促進会 張琴氏が所蔵している19世紀半ば以後の中国藍夾纈資料をあわせて展示することによって、それぞれの板締技術の比較を行いながら、板締染が用いられた理由を考えます。
それとともに、版木に彫られた文様の楽しさ、彫られた文様の意味、中国とも共通する近世末ごろの庶民の願いを感じることができます。

なお、中国藍夾纈資料の一括展示は、日本初の試みです。

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★図録等[館内ミュージアムショップにて販売します。]
 ・よみがえる幻の染色(税込1028円)
 ・出雲藍板締めの復元研究(税込600円)

会期


2014年6月6日(金)~7月6日(日)
会期中の休館日:6月17日(火)
■開館時間/午前9時~午後6時
   ※入館は、閉館時間の30分前まで
■会場/島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室
◆主催:板締染技術の相互交流事業実行委員会(島根県立古代出雲歴史博物館・ミュージアムいちばた・公益財団法人しまね国際センター・大社デザイン)、中華文化促進会
◆後援:中華人民共和国駐大阪総領事館・東京中国文化センター・朝日新聞松江総局、産經新聞松江支局、日本経済新聞社松江支局、毎日新聞松江支局、読売新聞松江支局、中国新聞社、山陰中央新報社、島根日日新聞社、新日本会新聞社松江支社、共同通信社松江支局、時事通信社松江支局、NHK松江放送局、山陰中央テレビ、テレビ朝日松江支局、日本海テレビ、BSS山陰放送、エフエム山陰、出雲ケーブルビジョン株式会社、山陰ケーブルビジョン、ひらたCATV株式会社


観覧料


※この展覧会は、常設展チケットで観覧できます。
常設展一般610円(団体490円)
大学生410円(団体320円)
小中高生200円(団体160円)

※( )内は団体料金です。
※団体は20名以上です。団体見学申し込み
※小中高生の学校教育活動での観覧は無料(観覧料減免申請書の提出が必要)です。
※障がい者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者福祉手帳)をお持ちの方、及びその付添人(手帳保持者1人につき、付添人1人まで)は無料です。
※外国籍のお客様は、受付にてパスポート又は外国人登録証明書をご提示いただきますと、料金が半額になります。(この場合、団体割引など各種割引との併用はできません。)
ミュージアムパスポートでご覧いただけます。

関連
イベント


◆関連講座1/中国藍夾纈(あいきょうけち)の歴史と現状
[日時]2014年6月7日(土)13:30~16:00(要申し込み)
詳細・申し込みはこちら

◆関連講座2/対談「日中両国の板締染技術とその比較」
[日時]2014年6月8日(日)13:30~16:00(要申し込み)
詳細・申し込みはこちら

◆関連講座3/出雲藍板締と京紅板締
[日時]2014年6月15日(日)13:30~15:00(要申し込み)
詳細・申し込みはこちら

◆体験/筒描藍染体験~出雲の伝統技法 筒描藍染に挑戦しよう!~
[日時]2014年6月14日(土)14:00~17:00(要申し込み)
詳細・申し込みはこちら

◆体験/お手軽板締染体験藍板締コースターを作ろう
 ※このイベントは事前申し込み不要です。
[日時]2014年6月22日(日)10:00~
       6月29日(日)10:00~
詳細はこちら



展示構成


展示点数131点(うち国登録有形民俗文化財37点)
・出雲藍板締関係47点
・京紅板締関係40点
・中国藍夾纈37点
・出雲筒描藍染7点


展示パンフレットダウンロード(pdf file 7MB)



1 板締染とは
板締染(いたじめぞめ)とは文様を彫った板木と板木の間に布を挟み、これを締め付けて染める染色技術である。現在では一般に用いられることのないこの染色技術の歴史を概観する。
出雲藍板締・京紅板締の製作技術とその文様
藍板締は、現在のところ出雲市大津町での操業が確認できるのみであり、その操業期間も江戸時代末のおよそ40年間に限られ、その後、その染色技術の継承が途絶えたいわば幻の技術である。
紅板締は江戸時代中期から大正時代末まで行われたもので、基本的な技術は藍板締と同じであるが、紅(紅花、後に合成染料)で染められる。製品は主に小紋の下の内着や襦袢などに用いられた。
両者の染色技術とともに、版木に彫られた文様から、当時の庶民の間のデザインのトレンドや、文様に込められた願いを紹介する。

[主な展示品]
藍板締版木、板締版木、紅板締内着など
国登録有形民俗文化財 藍板締版木(竹に虎)
国登録有形民俗文化財 藍板締版木(竹に虎)
国登録有形民俗文化財 藍板締木綿布(竹に虎)
国登録有形民俗文化財 藍板締木綿布(竹に虎)
紅板締版木 八橋
紅板締版木 八橋


中国藍夾纈とその文様
中国での民間の藍板締(夾纈)は中国浙江省南部で、清代から行われ、現在でも3軒の工房で続けられている。製品は主に婚礼用の被面(布団表)に仕上げられ、その文様には戯劇の内容を表したものや、子孫繁栄を願って「百子図」などが用いられる。この製作技術と文様の意味を紹介する。

[主な展示品]藍夾纈福禄寿喜被面、藍夾纈嬰戯図被面(百子図)、藍夾纈版木(これら藍夾纈資料は日本初公開です)

藍夾纈 福禄寿喜被面 張琴氏蔵(1850年代)
藍夾纈 福禄寿喜被面 張琴氏蔵(1850年代)
藍夾纈 百子図被面 張琴氏蔵(1910年代)
藍夾纈 百子図被面 張琴氏蔵(1910年代)
藍夾纈版木(演劇人物) 張琴氏蔵(清代)
藍夾纈版木(演劇人物) 張琴氏蔵(清代)
筒描藍染 湯上げ(明治中頃) 個人蔵



出雲藍染の伝統--筒描藍染--
板締染とともに出雲で行われていた筒描藍染。およそ400年前から行われたこの染色技術を継ぐ紺屋も、出雲では1軒のみとなってしまった。かつて、中国と同様に嫁入り支度として布団表に染められ、また風呂敷や半纏類などに用いられた。文様は板締同様に、松竹梅、鶴亀、唐獅子牡丹など目出度い図柄が染められた。現在に伝わる稀少な技術を紹介する。



[主な展示品]布団表(鶴亀松竹梅雪輪に家紋)、嫁入り風呂敷(鶴亀松竹梅宝尽くし 雪輪に家紋)、湯上げ(鶴亀松竹梅宝船)など

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