HOME > 開館15周年記念 特別展ハニワの世界へようこそ

開館15周年記念 特別展ハニワの世界へようこそ

特別展「ハニワの世界へようこそ」ポスター

出雲国出身の野見宿禰は、相撲の始祖として知られていますが、『日本書紀』には野見宿禰が殉死を改め、人や馬などの「土物(はにもの)」をつくらせて墓に立てたとする、埴輪の起源説話がみえます。この逸話は、考古学的な事実と必ずしも一致するものではありませんが、出雲の地と埴輪の間に浅からぬ縁があると考えることもできるでしょう。また埴輪の存在は、古代の人々にとっても大きな関心事であったことがうかがえます。

古墳上に埴輪を立て並べる習慣は、前方後円墳が全国的に築造されはじめるのにあわせて各地に広まりました。出雲地方では古墳時代前期末(4世紀の終わり頃)、最初の埴輪が登場します。この頃の埴輪は、古墳上や周囲に並べて区画したり飾ったりする意味合いが強く、形も筒状に作られた円筒埴輪など比較的シンプルなものでした。しかし時代を経て埴輪の役割はより複雑になっていきます。武器や儀式に使う道具を模したものや、家を模った埴輪の登場は、古墳に葬られた力を象徴的に示すものだったと考えられます。

古墳時代後期には、古墳の一角を区切り、多彩な埴輪を並べ、被葬者の生前の活躍や首長継承のまつりを再現するようになります。馬や鶏などの動物や、様々な装いの人物を模った埴輪は、より表情豊で個性的なものとなりました。

本展では山陰地方出土の形象埴輪を中心に、人物や動物をかたどった様々な埴輪を展示します。制作時期や地域毎の特徴や違いといった考古学的な点だけでなく、個々の埴輪が持つ造形としての面白さにも注目してください。とぼけた表情や、絶妙にデフォルメされた姿など、ちょっと気になるチャームポイントがきっと見つかるはずです。もしかすると、身近なあの人に似た埴輪があるかもしれません。

さあ、この夏はハニワの世界を探検してみましょう。


プロローグ ハニワの世界へようこそ
山陰出土の埴輪をてがかりに、その起源や種類、特徴を紹介します。

第1章 牧に集う馬たち
古墳時代、馬は有力者たちにとって力の象徴でもありました。細かく再現された馬具、でもなんだか「ゆるカワ」な表情が愛らしい、そんな馬たちが集合します。

第2章 ハニワ動物園
埴輪の中には様々な動物をかたどったものが見られます。鹿や猿、鶏、水鳥などの埴輪は、一体何を意味していたのでしょう?

第3章 ハニワになった人々
数ある埴輪の中でも、人物埴輪はその服装や持ち物、髪型や表情など見所がたくさんあります。あなたの「イチオシ」はだれですか?

第4章 器財のハニワ
これは一体何の埴輪?器財埴輪にはそんな究極のデフォルメが生かされています。「ゆるカワ」だけではない、古代人の発想力を楽しみましょう。

エピローグ 岩佐 新とハニワの世界


※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、入館にあたっては、マスクの着用、手指消毒、間隔をあけた観覧など感染防止対策を講じています。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

(詳しく知る:当館の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について




◎ 会期:令和4年7月1日(金)から8月28日(日)
   〔会期中の休館日:7月19日(火)、8月2日(火)〕

◎ 開館時間:午前9時から午後6時  ※最終入館は午後5時30分
  ※ 7月1日は開会式終了後、開場となります。

◎ 会場:島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室

◎ 主催:島根県立古代出雲歴史博物館

◎ 特別協力:国立文化財機構文化財活用センター、東京国立博物館

◎ 後援:朝日新聞松江総局、産経新聞社、毎日新聞松江支局、読売新聞松江支局、中国新聞社、山陰中央新報社、島根日日新聞社、新日本海新聞社、共同通信社松江支局、時事通信社松江支局、NHK松江放送局、TSKさんいん中央テレビ、テレビ朝日松江支局、日本海テレビ、BSS山陰放送、エフエム山陰、出雲ケーブルビジョン、山陰ケーブルビジョン、ひらたCATV株式会社




観 覧 料

WEB限定前売券のお申し込み

(※)お申し込み前によくある質問をご確認ください。

開館15周年記念 特別展
「ハニワの世界へようこそ」
当日券団体券外国割
※(8)
WEB限定
前売券
一般特別展1000円800円500円 -
常設展とのセット券1310円1040円810円1000円
大学生特別展500円400円250円 -
常設展とのセット券700円560円450円 -
小中高生
特別展300円240円150円 -
常設展とのセット券400円320円250円 -

(1)WEB限定前売券は会期中に限り有効です。WEB限定前売券は会期中に限り有効です。
(2)ローソンチケットでも前売券を販売します。
(Lコード:63301 6月1日午前10時から販売開始/8月28日販売終了)
(3)団体は20名以上です。団体見学申し込み
(4)小中高生は毎月第三日曜日の観覧料が無料です。(しまね家庭の日)
(5)小中高生の学校教育活動での観覧は無料(観覧料減免申請書の提出が必要)です。
(6)学生の方はチケットご購入の際に、学生証または生徒手帳を受付にてご提示下さい。
(7)障がい者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者福祉手帳)をお持ちの方、障害者手帳アプリ「ミライロID(外部サイト)」をご提示の方、及びその付添人(手帳保持者1人につき、付添人1人まで)は無料です。
(8)外国籍のお客様は、受付にてパスポート及び在留カード又は特別永住者証明書をご提示いただきますと、外国割の金額になります。(この場合、各種割引との併用はできません。)
(9)この展示は古代出雲歴史博物館ミュージアムパスポートでもご覧いただけます。


おもな展示作品








両手を挙げる女性 松江市岩屋後古墳出土(東京国立博物館蔵)Image:TNM Image Archives
明治時代に発見され、旧帝室博物館(東京国立博物館)に収蔵された人物埴輪4体が、約25年ぶりに里帰りする。









【重要美術品】鹿 鳥取県東伯郡北栄町・上下(はした)213号墳出土(鳥取大学蔵)鳥取県立博物館保管
斑点の彩色がかわいらしい鹿埴輪。ちょっと首をかしげている。








巫女 茨城県水戸市出土(東京国立博物館蔵)Image:TNM Image Archives
何かを捧げ持っている姿。顔の文様は入れ墨を表していると言われる。








【大山町指定保護文化財】猿 鳥取県大山町ハンボ塚古墳出土(大山町蔵)
永らく人物とされていた埴輪。同古墳の人物埴輪とは作り方が異なるので、今回は猿として紹介。顔は赤く塗ってある。








【重要文化財】馬 埼玉県熊谷市出土(東京国立博物館蔵)Image:TNM Image Archives
最も整った馬形埴輪としてよく紹介される。








大刀 神奈川県横浜市瀬戸ヶ谷古墳出土(東京国立博物館蔵)Image:TNM Image Archives
玉纏(たままきの)大刀と呼ばれる華麗な装飾を持つ大刀を表現した埴輪。有力豪族のみが持つことを許された大刀である。その形状が何を表現したのか不明であった頃は、消火器形埴輪とも呼ばれた。








岩佐新「埴輪スケッチ」水彩 1958年(島根県立美術館蔵)
洋画家・美術評論家である岩佐新(安来市伯太町出身)が描いた埴輪スケッチ51枚のうち10枚を展示。岩佐は、石橋正二郎(株式会社ブリヂストンタイヤの創業者で、美術蒐集家)のブレーンとして活躍、そのコレクション管理やブリヂストン美術館の事業に携わった。





図 録


図録表紙図録「ハニワの世界へようこそ」
1,650円(税込み)

展示図録等の販売について




関連講座


【各講座共通】
[会 場]古代出雲歴史博物館 講義室
[定 員]60名
[参加費]無 料
[条 件]事前申し込みが必要となります。

※オンライン(Zoom)で同時配信します。(同時配信のみとなります。アーカイブは残りません。)

【第1回】「ハニワの世界へようこそ 関東の埴輪を中心に」
[日  時]7月2日(土)午前10時~午前11時30分
[講  師]河野 正訓 氏(東京国立博物館調査研究課考古室主任研究員)

《終了しました》


【第2回】「ハニワの世界へようこそ 山陰の埴輪」
[日  時]7月30日(土)午後1時~午後2時30分
[講  師]林  弘幸 氏(益田市教育委員会文化財課 副主任主事)

《終了しました》


【第3回】「ハニワの世界へようこそ 埴輪四方山話」
[日  時]8月6日(土)午前10時~午前11時30分
[講  師]増田 浩太 氏(島根県立古代出雲歴史博物館 専門学芸員)

《終了しました》




関連イベント

「埴輪ストラップを作ろう」

[日  時]
 7月24日(日)
  ・午前の部/午前10時~《午前の部は定員に達しました》
  ・午後の部/午後1時~ 《午後の部は定員に達しました》
[場 所]古代出雲歴史博物館 体験学習棟
[定 員]各回15名 
[参加費]400円

《終了しました》



ギャラリートーク

担当学芸員による展示解説
[日  時]
 【第1回】7月2日(土)午後2時~午後3時《終了しました》
 【第2回】7月30日(土)午前10時~午前11時《終了しました》
 【第3回】8月6日(土)午後2時~午後3時《終了しました》
 ※参加には、特別展観覧券もしくはミュージアムパスポートが必要です。
[定 員]各回20名


※ ギャラリートークの申し込みは終了しました。



会 期

観 覧 料

おもな展示作品

図 録



関連講座

関連イベント

ギャラリートーク


ページトップ