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常設展の展示及びガイドブックの一部修正について

開催日
2008年06月15日

 当博物館の常設展の一つである「出雲国風土記の世界」において、一部不適切な展示がありましたので、次のとおり修正しました。御来館された皆様、ガイドブックを御購入された皆様をはじめ、多くの方々に御迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

1.修正箇所
  「朝酌の市、ある日の出来事」模型
2.修正内容及び理由
 (1)会話の音声放送を取りやめました。
  理由:会話の中で、若者が猪を売る対価として「死馬1頭」を要求します。古代においては、死牛馬の解体や皮革の生産に携わる人々が差別されていたわけではありませんが、「死馬」の言葉から後世の差別を連想させるおそれがあります。
 また、薬草を売る女に対して買い手の男が「そなたの来世は牛なり」と言っていますが、これは非科学的な迷信です。迷信や因習は、歴史的に差別や偏見を生み、助長し、あるいは温存させる役割を果たしました。
 以上のような不適切な表現がありましたので、会話の放送を取りやめさせていただきました。
 (2)若者が縄で引っ張っていた猪と、屋根の上に留まっていたカラスを撤去しました。
理由:動物の生態から、野生の猪を縄で引っ張ることは不可能であり、また、通常、カラスが市の雑踏のすぐ近くに留まっていることはないと考えられますので、展示から撤去させていただきました。

 また、これに伴い、常設展のガイドブックである『展示ガイド』についても、次のとおり修正しました。
1.修正箇所
 「朝酌促戸の市の様子」(86、87ページ)
2.修正内容
  (1)会話文を削除し、主に市に並べられた動植物の説明文を掲載しました。
  (2)猪とカラスを撤去した後の写真を掲載しました。

 正しい知識の普及や社会の発展に寄与することを目的とする博物館において、このような不適切な展示がありましたことは誠に遺憾であり、心からお詫び申し上げます。
今後、人権尊重の精神を基本に置き、自然科学など史学以外の分野を含めた総合的な視点から展示を検討するとともに、当博物館の歴史資料等を人権問題についての理解が促進されるよう生かしてまいります。

 

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