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イベント

銅剣ができました(荒神谷銅剣発見25周年記念イベント報告)

開催日
2009年07月13日


・7月12日は今から25年前、荒神谷遺跡から358本の銅剣が発見された日です。
 古代青銅器鋳造技術の復元研究に取り組んでいる古代文化センターでは、調査研究の一環として、この記念すべき日に実物と同形同大の銅剣を作るという思い切った企画を組みました。

・「25年目なので銅剣を作っちゃいます」と題するこのイベントは、まさに試行錯誤、2ヶ月間もの準備期間を経て当日を迎えることになります。その間の復元実験は失敗の連続で、直前に行われたテレビの取材でも、担当者の「まあ、なんとかなるでしょう」の発言もむなしく失敗。
 夕刻の放送では、アナウンサーに「失敗は成功のもとですから」ときれいにまとめられ、ますますプレッシャーを背負うことになりました。

・イベント当日は心配された天気も回復し、多くの見学者のもと鋳造作業が行われました。担当者の心配をよそに、溶解炉は順調に温度を上げ、1時間後にはルツボに入れた錫、銅が投入されます。(今回は安全のため鉛は含みません)
 最大の見せ場である鋳込み(溶けた青銅を鋳型に流し込む作業)では、まばゆい黄白色に溶けた青銅が勢いよく鋳型に流し込まれ、周囲からは歓声が上がりました。この時の青銅は1000度近い温度ですが、外気や鋳型に触れて急速に冷えていきます。

・そして注目の脱型(鋳型から青銅器を外す作業)で銅剣が姿を表すと、見学者から大きな拍手がわきおこりました。欠けや大きなバリもない、完璧な銅剣です。

・こうして今回の記念イベントは、25年前に生まれたからというだけで特別招集された巫女さん(アテンダント)が、まだ暖かい銅剣を手にしてにっこり微笑むという、予定通りのエンディングを迎えたのでした。

こちらの銅剣は、総合展示室前にて展示しています。どうぞ、ご観覧ください。


 

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