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イベント

出雲国府跡出土の2つの新資料-漆紙文書と銅印「常」の展示公開-
(11/15~12/13)

開催日
2009年11月08日

漆紙文書A
漆紙文書A
銅印「常」
銅印「常」

島根県立古代出雲歴史博物館では、1300年前の奈良時代を取り上げた企画展「出雲国誕生と奈良の都」を好評開催中です。(会期:2009年10月9日~12月13日)

2009年11月15日(日)から、この企画展の中で注目すべき2つの新資料-いま話題の「漆紙文書」と、このたび県へ寄贈された銅印「常」を展示公開します。

展示期間:
2009年11月15日(日)~12月13日(日)

場所:古代出雲歴史博物館 特別展示室

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1.漆紙文書 2点

(概要)
最初の発掘調査が行われてから40年を迎える史跡出雲国府跡では2009年10月に漆紙文書の断片が出土し、話題となりました。
漆紙文書は、廃棄された文書を漆容器の蓋紙として使用したため、漆が紙に浸透し、その部分の紙だけが腐ることなく残った状態で出土したものです。
出雲国府跡では10年前のものに次いで2例目の発見で(今回同時展示します)、延暦の年号もあることから8世紀末から9世紀初頭にかけてのものと見られています。

(意義)
人名と年齢、年号を列記した、「歴名」と呼ばれる公文書の断片とみられ、戸籍で年齢を確認する手続きである「勘籍」を記した可能性のあるものです。
漆紙文書は一般に両面に文字がありますが、今回のものは片面のみという特色があります。出雲国府における戸籍の作成や文書行政の実態を知る上で貴重な資料です。


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2.銅印「常」 1点

(概要)
松江市大草町の史跡出雲国府跡で採集された試料で、このたび所有者から島根県へ寄贈されました。
重量は13g、高さ24mm。印面部の左・上の縁を欠きますが、全体に遺存状態は良好です。印面に「常」の文字が陽刻されています。年代は奈良・平安時代と考えられます。

(意義)
古代の銅印は、出雲国府跡では2例目となる貴重な資料です。うち1つの銅印「春」は日岸田地区(国司館の東)から採集、島根県指定有形文化財となっています。(平成21年11月現在企画展示室にて公開中)。
「常」は人名の一字と考えられ、採集された場所が国司館のあった大舎原地区でもあることから、国司あるいは郡司の私印の可能性があります。

 

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