飯梨村・能義村・安来町・宇賀荘村・荒島村・赤江村・島田村・大塚村
広瀬町・比田村・布部村・山佐村|安田村・母里村・井尻村・赤屋村
※地区名は旧市町村名で表記しております。
地区名 | 行事名 | 行事日 | 中心になる場所 | 概要 |
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飯梨村 | とんどさん | 1月5日 | 公会堂近くの田 | 飯梨町開の行事で、恵方の山から神木竹根付きをとって田に立て飾る。各家の注連飾り、門松を積みあげ頭屋が点火し、神輿を出す。神木竹を恵方に倒し、火をたき神霊を送って酒宴をする。 |
八日講 | 1月28日 | 神木コガの木 | 全戸が前組と後組に分かれて行う山の神の祭り。山の神へ御神酒、御穀を供え参拝した後、当直で酒宴を行う。 | |
荒神祭 | 12月初旬 | 各地 | 朝作業場に全戸が集まり御神酒をいただき「たち」(藁蛇)を4頭、幣、菰を作り、四社の荒神に奉納する。その後酒宴を行い各戸幣を持ち帰って祭る。 | |
能義村 | とんどさん | 1月5日(1月15日) | 町内の特定の場所 | 年末に歳徳さんの飾り付けをし、当日木、竹を伐り立てる。歳徳さんから神輿、獅子舞などを頭屋へ運び、神輿が町内を廻りある場所に来たときに木、竹に火をつける。 |
一の宮講 | 1月18日、9月1日 | 頭屋宅 | 寺谷全戸現在8戸の女性による講。頭屋は家の前に旗、「小宮」を飾り、昼に集まって祈願し昼飯を食べて解散する。 | |
亥ノ子相撲 | 11月から12月の亥ノ日 | 飯生町八幡神社 | 境内で夜火をたき、東飯生の子ども主催の相撲大会を行う。各戸の寄附金や参観者の出した資金を勝敗によって配分する。 | |
初午祭(管粥神事) | 1月2日初午 | 意多伎神社 | 飯生町の氏子が境内で釜3つに米、竹管3つを入れてたき、「早稲」、「中稲」、「晩稲」と書かれた竹管のうち多く飯粒が入っているのが豊作とする。それを見て作付けを考える。 | |
荒神祭 | 11月第3日曜(旧10月15日) | 神木のある場所 | 東飯生の寺谷と今若では、同じ神木に対して別の日に行う。寺谷では頭屋で「ほこら」、幣、注連縄、藁蛇を準備し、神木に納めて祈願する。頭屋での祈願の後飲食、各自幣を持ち帰る。また米を粉砕したものを持ち帰り牛に食べさせる。今若では旧10月15日に行う。 | |
安来町 | とんどさん | 1月5日(1月15日) | 新町遊園地 | 7町内で行い、町内まわりの当番が歳徳さんの飾り付け、4日の「宵宮」行事を行う。安来神社と下山神社の神官が町内の歳徳さんを廻り最後に新町で祈祷を行い、5日朝から神輿やドウ、太鼓で町内を歩く。その後竹に火をつけて恵方に倒す。 |
月の輪神事 | 8月14日〜17日 | 町内各所 | 永代会役員10人が世話人をし、4町内で必ず4日間行う。はやしで歩き各町内が合流し、大市場十字路で十字になりはやしの連打を行う。三日月形の大念仏行灯を用いる。(市指定無形民俗文化財) | |
御崎谷三宝大荒神 | 11月29日 | 頭屋宅 | 昔19戸現在5戸の新町から出た商屋の講中による行事で、頭屋の床の間に注連縄をかけ全員で祈念、御神酒を飲む。次の頭屋が注連縄を持って、全員講中の家を廻り下山神社に奉納する。 | |
祇園祭(ヤッホー神事) | 7月14日、15日 | 安来神社 | 14日夜に東、西御幸町内が宵宮行事、翌日子どもが法被姿で自分の名と町名入りの提灯を持って、安来港に集まる。海水で身を清め「ヤッホヤッホ」といいながら歩き、神社で無病息災を祈願し、「みこし」車で町内を廻る。 | |
えびすさん | 7月2日 | 安来港 | 新町内入口にのぼりを立て、当番が海岸のほこらの飾り付けをする。下山神社の神官が豊漁繁栄を祈る。 | |
百万遍地蔵 | 8月25日 | 十神地区学習等供用施設 | 中市場町内会、親子会が行い、主体は子供である。車座になり長さ4mの数珠を念仏を唱えながら回し、安全祈願をする。夕方から大人も加わる。 | |
宇賀荘村 | とんどさん | 1月5日 | 市中の水田 | 小とんどと一緒に行い、全員で歳神さんを飾り付け、子ども神輿の後、頭屋の家で昼食をする。午後の神輿は昨年中止になり、夕方とんどを行い、頭屋の家で飲食をする。 |
地蔵講(地蔵さん) | 8月24日 | 地蔵さん前 | 17日に掃除し夕方から籠りをする。24日まで毎日当番を決め、供物を供える。子どもが夕方数珠送りを行い、供物を配る。24日は子どもの盆おどりがある。 | |
えびす講 | 年2回 | 頭屋の家 | 年2回、市中15戸から籤で選ばれた頭屋の家で「小宮」と呼ばれる木札の入った社を飾り、神官を呼んで農耕を祈願する行事。その後酒宴が行われる。 | |
万灯籠 | 8月13日〜15日 | 伯太川土手 | 安来市宇賀荘町の市中・真米の小中学生による盆の迎え火・送り火。8月13〜15日の毎夜、火のついた棒を千代富橋左右50m、2〜3m間隔で設置する。その後「万灯籠のお金」を集金し子供達で分ける。 | |
荒神祭 | 12月初旬 | 神徳神社 | 12月初旬に大蛇を作り神徳神社の神木に暴れよけの御幣と共に巻き付ける。その後湯立てと笹の葉清めを行い無病息災を祈る。 | |
荒島村 | とんどさん | 1月5日 | 久白川下流川土手 | 本行事は1月5日だが、12月28日に世話人が歳徳さんの飾付けと伯太川土手にとんど場を準備して神迎えをする。当日の午前中に火入れをして御神酒等を頂き、午后から夜まで年始会をする。 |
お日待つさん | 1月神官の都合 | 姥祖父公民館 | 宮総代と当番2人が世話人となり、神官による無病息災の祈願後、各戸にお札を配り供物を頂く。神官には酒一本とお初穂を渡す。 | |
社日講(社日さん) | 3月の当たり日 | 荒島八幡宮 | 3月の当たり日に荒島地区ほとんどの各戸が荒島八幡宮に参拝する。亀治銅像前で農具・種物の販売があるが、これは銅像が建つ以前からあるものである。 | |
荒神さん | 11月28日 | 月形神社 | 11月28日に月形神社で荒島の中の10戸によって行われる。以前は湯立てもあったが今は地主幣・水神幣を作り100円で分けてもらうのみ。世話人により御神酒と料理が用意され、10戸で頂く。 | |
赤江村 | 左義長(とんど) | 1月5日 | 年神社神事場 | 12月28日の竹迎えの後、1月5日に年神社前で神餅とお札をうけて御神酒を頂き、神木の周囲で正月の飾物を焚く。戦前は上組下組に分かれ、子供天神がとんど焚きの中心であったが戦後簡素化された。 |
田の事神事(お田植祭) | 5月5日 | 赤江八幡宮 | 5月5日に行われる御田植神事。田作業の所作の後で田植歌を所作を演じて奉納する。社地は西赤江宮山から赤江八幡宮へ移っている。(市指定無形民俗文化財) | |
荒神講(荒神さん) | 10月26日 | 11ヶ所の荒神社 | 集落ごとに家筋につながる講がある。地主幣、水神幣と豆飯をうけて帰る。注連縄と甘酒を供え、神官の祝詞あげ、御祓いの後直会を行う。 | |
島田村 | 澳津神社の釜焚き神事 | 10月20日に近い土・日(18、19日) | 澳津神社 | 実地調査参照 |
明神講 | 2月1日 | 門生神社横の明神神社 | 2月1日に波剪御幣を祭る講。本家と古い分家21戸の内7戸が当番となり、頭屋の家の「お宮」に御札入りの木箱を飾る。全員で礼拝後、当番以外の各戸が飲食する。その後木箱の上に塩草迎えで拾った海藻をのせて一晩置き、翌日神棚に祭る。 | |
一の宮講 | 1月18日・4月1日 | 頭屋宅 | 1月18日と4月1日に行われる講。吉佐町90戸が5組に分かれ、1組に本頭が1戸、添頭が2戸ある。3戸が頭屋の家に集り、必ず小豆御飯を女性だけで食べる。 | |
大歳神社祭り | 10月29日 | 大歳神社境内 | 門生町60戸が氏子となり10月29日に行われ、28日に前夜祭もある。保育所の男子児童、又は大人による奉納相撲がある。花相撲、勝手連という夜店があり、それは女性のPTAが主体となっている。 | |
龍宮講 | 2月11日(1月・5月・9月) | 生けす | 2月11日に漁業関係者が赤貝の生けすに餅・季節の物を供え、帰る時に餅を切り分けて持ち帰る。頭屋は順番制である。以前は1月、5月、9月にあった。 | |
薬師さん | 8月16日から2週間 | 薬師堂 | 40戸が組になり、各戸が8月16日から朝、昼、夕の順番で1食ごとにお菓子とお茶を20個程の供物容器に入れてお供えする。一巡して終わる。 | |
荒神祭り | 11月28日 | 神木のある場所 | 雄雌2頭の藁蛇を作り町内を歩き、洗米をつぶして丸めた団子2〜3個の入ったストギと供に神木に供える。その後、夜に盛大な酒盛をする。頭屋は年男のクジで決まる。 | |
大塚村 | 秋葉さん | 7月23、24日 | 大塚町商店街 | 7月23、24日に行われる火災除け。昭和30年までは賑やかであったが、祭式を変えて残っている。火渡り行事などがあったが現在は中止されている。 |
一の宮講 | 1月頭屋の都合 | 別所公民館 | 1月に女性のみで行われる講。上の班8戸、下の班9戸と分かれている。床に一の宮さんの掛軸を飾り、各自礼拝した後頭屋2戸が用意した料理を食べて夕方解散する。 | |
八幡講 | 9月15日 | 神社内 | 小学生による相撲大会、宮詣りの特別祈願、男子小学生による神輿式、女子小学生による浦安の舞がある。 | |
社日さん | 9月23日頃の休日 | 山中の石碑 | 社日さんのある山に参り、簡単なつまみで御神酒を頂く。又、鏡餅を切って各戸に配る。当日の土いじりは禁止されているが守られてはいない。 | |
地蔵さんこもり | 8月24日 | 地蔵さんのある場所 | 女性のみの別所6戸、永源寺4戸が田中組と称して行う。暗くなってから頭屋2戸が用意した黄粉団子の鉢盛を食べながら過ごす。 | |
荒神祭り | 11月第3土曜 | 神木のある場所 | 11月第三土曜日に頭屋5戸で地主幣、水神幣、地区18戸で藁蛇を2体作る。神木の山へ行き蛇と地主幣を奉納し湯立て行事をする。公民館で神官の祝詞の後酒宴があり、次年の頭屋をクジで決める。講としては1、5、9月にある。 | |
甲山祭り | 5月3日 | 神社内 | 5月3日に行われる御田植神事で、特別祈願の後、氏子総代10人位が白装束でハヤシ唄を歌う。神官及び本願が神殿に入り祈願する。氏子には杉の枝が配られるがこれは苗代に立てられ虫防けの役割をする。 |
地区名 | 行事名 | 行事日 | 中心になる場所 | 概要 |
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広瀬町 | 祇園さん(須賀神社祭礼) | 7月21日 | 町地域全部 | 伝染病を祓うことを願って行われる。18日神輿清め行事を行う。21日昼に神輿を車にのせて巡幸させる。大幣を持った祭主と獅子頭が、各家をお祓いして回る。夜に神輿担ぎをするが、できるだけ荒々しく練り回る。 |
御日待さん | 旧1月1日〜2月11日の間 | 各地 | 町内は次第に簡略化ならびに消滅の状況にある。シボなどの古式も少くなった。町内、隣保(約30組)で祭は行われている。 | |
とんどさん・てんじこさん(作吉兆(さぎちょう)) | 1月1〜5日 | 町内10ヵ所 | 歳神さんから鼕を出して打ちならす。江戸時代には、藩士たちは作吉兆の火でもって馬の調練をし、町方は鼕を繰り出して気勢をあげたというが、作吉兆は廃れ、鼕の方は天神講として子供や若者たちの行事となった。 | |
盆送り | 8月15日 | 富田川土手 | 各戸が念仏の後、富田土手に盆灯籠・盆飾りを持って集まり、一ヶ所で焚く。昔は「盆送り」と称して、戸別か近隣毎に焚いていたが、昭和初めごろより富田土手で焚くようになった。 | |
比田村 | とんどさん | 1月5日以後の(日)11、15日 | 各地のとんど場 | 大竹を立て、正月飾りなどを積みあげて、火を入れる。その火で餅・スルメ・ミカンを焼いて食べる。とんどのスミで以ってスミ付けをすると、無病息災に過ごすことができると伝えられ、以前には派手に付けあっていた。 |
愛宕祭 | 8月18日 | 集落内 | 夜に屋台・山車の神幸を行う。追神頭打供盛団が頭打(かしらうち)を務め、子供吹囃の屋台車2台、繰り・からくり人形の屋台車3台が続く。男子は烏帽子・法被姿、女子は着物・花笠姿で、笛や鼕太鼓や鉦を打ち囃す。 | |
縄久利神社の花傘神事 | 4月24日 | 縄久利神社 | 実地調査参照 | |
盆踊り(比田踊) | 8月15日 | 西比田小校庭(以前各神社の夏祭り) | 一切楽器を用いない。歌を口説といって「家島口説」「阿部屋口説」がある、「ばんばら・山づくし・古大寺」と呼ぶ三種類の踊りがあるという特徴をもつ。以前は愛宕・恵比須・観音(十七夜祭り)などの夏祭りに、夜を徹して踊られた。 | |
牛供養・花田植 | 不定 | 地区内斎田 | 斎田まで鼻高の舞、頭打ち、神輿、飾り牛、早乙女が道行する。牛の供養式を行う。飾り牛によるシロカキと田の神神事。苗取り唄による苗取り、田楽囃子による田植式、さげ唄囃子による田植を行う。 | |
布部村 | とんどさん | 1月5日 | 歳徳神社 | 当番役3名が中心になって行う。大竹を切ってとんど場に立て、各自が正月飾りを持ち寄り、積み上げて火をつける。餅・スルメ等を焼いて、神酒をいただく。墨ぬりも賑やかに行われる。 |
布部神社春祭御輿巡幸 | 4月3日 | 布部神社 | 神社より町内の神事場まで神輿が巡幸する。神輿警護は乙見、平野地区が担当し、獅子面や宇豆売面、猿田彦面は飯田・根尾川原地区が担当する。 | |
数珠繰りとラッソク | 8月24日 | 阿弥陀堂〜木野山神社 | 地元の年役に僧侶役になってもらい、鉦を叩いて読経する間、地区住民は数珠繰りをして祈念する。夜、木野山神社から阿弥陀堂まで500本の竹を立てて、灯油を入れ布を芯にして点火する。これをラッソクという。 | |
弘法講 | 毎月21日 | 滝奥公会堂 | 宇波には、弘法大師の開基と伝えられる坊床山霊場があり、大師が修業したとされる滝や腰掛けの岩などがある。とくに滝奥では、毎月弘法講を行う。以前は各戸まわり順で宿を勤めていたが、現在は公会堂にて行う。 | |
出世相撲 | 10月29日 | 布部神社 | 秋祭には、古くから出世相撲と呼ばれる相撲が行われる。遠方からの参加者もあって、大変にぎやかだったが、近年は次第に参加者も減少してきた。 | |
荒神祭 | 11月〜12月 | 各地 | およそ30〜40ヶ所に荒神がある。御神体は杉・檜・榊などの大きな木で、藁で龍を作って巻きつける。竹串で幣を作り、水神、田の水口や家の周囲に祭られる神々に供える。総じて荒神祭は大切に行われている。 | |
山佐村 | とんど祭・天神講 | 1月3日、5日 | 歳神社近くの田(とんど場) | 3日に孟宗竹を立て、根もとに各家から持ち寄った正月飾りなどを積み上げて、燃やす。とんどの火で餅やスルメを焼いて食べる。5日に男の子たちが天神神輿を担いで、各戸を回る。 |
合社講 | 3月21日 | 地区内 | 神職を招き、獅子面・天狗面(猿田彦)をつけた者がお伴をし、各戸を回ってお祓いをする。獅子や天狗は子供たちを驚かせ、家族は獅子にかんでもらって無病息災を願う。 | |
荒神祭 | 11月23日 | 各地 | 各集落の代表が神社でご祈念を受け、御幣や供物をいただいて、集落の荒神に供える。供え物は、シボ(藁の入れ物)の中に白餅・赤飯・オボコ(洗米)を入れたもの。湯立てをする。湯立ての笹を持ち帰り牛舎に飾った。 | |
山上講(さんじょさん) | 1月 | 集会所 | 下の輪集落の殆どが集合して、般若心経、光明真言などを唱える。終了後、懇親会をひらく。賽銭を積み立てて三徳山へ本山参りすることもある。 | |
お薬師さん | 7月7、8日 | 高木の薬師堂 | 7日夜に夜祭りが行われ、地区から多数参拝する。9月21日には珠数繰りが行われる。全長15m、大玉径8cm2個、小玉径3cm526個の大珠数を参加者全員で繰る。 |
地区名 | 行事名 | 行事日 | 中心になる場所 | 概要 |
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安田村 | 正月とんど | 1月 | 宮内八幡 | 正月飾り・神札などを持ち寄り、全戸(20戸)が集まって、神事のあとに点火する。火付け役は頭屋。鎮火札を受けて、宮内集落7ヶ所にその札を立てる。焼きはじめといって、とんどの火で餅・スルメを焼いて食べる。 |
古伝祭 | 10月1日 | 宮内八幡 | 秋例大祭日前に「十五日忌」と称して、神職氏子は殺生・竹木伐採が禁じられる。火鑽杵臼で採火して、石清水で玄米を炊く。神幸の時には、古くより特定の家8軒が警固家となって神輿を担ぐ。御旅所での神事の後、舌餅・ブトマガリ・栗を参拝者に投げる。 | |
宮内の荒神祭り | 11月28日 | 宮内八幡 | 講員が境内に集合し、神職に幣を切ってもらい、藁蛇をつくる。荒神フロの前で火をたき、小さな藁シボに包んだシトギ団子を焼いて、持ち帰って牛に与える。 | |
宮内神宮寺祭り | 2月15日、8月19日〜21日 | 神宮寺 | 宮内八幡宮杜地の一隅に神宮寺と呼ばれる小堂がある。涅槃供養、花祭り、籠り(盆行事・盆踊りも含む)などの行事を行う。講員が輪番で堂守りになって采配をふるう。 | |
お日待ち講 | 1月中 | 宮内八幡 | 全戸19戸が集まり、神職に3回に分けて家内安全・無病息災・五穀豊穣・牛馬安全を拝んでもらい、終日を過ごした。近年は日曜日などに短い時間で簡略化して行う。 | |
五穀祭 | 3月1日 | 田面神社 | 頭屋は、長田の穀田で自ら栽培した米と籾、田面神社社地の岩清水の湧き水を神前に献上する。神職による祭典の後、3本の管竹に穀田の米と清水を入れて粥を炊く。炊き具合により、晩稲・中稲・早稲の作占いをする。 | |
荒神の厄はらい | 11月28日 | 長台寺 | 天台宗長台寺(出雲札20番札所)の境内に、三宝大荒神の小社が祭られている。講員が藁蛇をつくって、荒神社脇にとぐろを巻いた姿で納め、頭屋宿で直会をする。弊切りなどは寺の住職によって行われる。 | |
花まつり | 旧暦2月15日 | 宮内八幡 | 八幡宮社域の一隅に、神宮寺を呼ばれる小堂があり、数体の仏像が安置されている。ここに集落の老若男女が集まって、4m余りの大数珠を繰りながら念仏を唱え、数珠送りをする。悪病除けになるという。 | |
荒神祭り | 11月11日 | 荒神社地 | 熊谷集落では朝から講員が寄り集り、5〜6m位の藁蛇をつくる。「尾を取れ尾取れ」とかけ声をかけながらホクダ(藁くず)を取り、互いに投げかけ合う。最後に荒神の神木に巻きつける。 | |
母里村 | とんどさん(歳神さん) | 1月5日(1月15日) | 歳徳神社 | 本新町では、年末に歳徳神社を飾りつけ、祠前に門松立砂・しめ飾り・祝餅などを飾り、神木2本を立てる。神木のもとに各家の正月飾りを積み上げて燃やす。藩政時代には、歳神を御旅所に神幸させて、15日まで籠って鼕を叩き、参詣者を迎えて祈願した。 |
どうせぎ | 1月中 | 集落の歳神社 | 戦前まで小集落ごとに大鼕が備えられていて、歳神社で頭屋や当番が鼕を叩いて籠った。この大鼕を隣りの大歳神社の近くに持ち出し、力いっぱい叩き合って音の大きさや迫力を競い合った。 | |
ぎおんさんまつり(夏祭り) | 7月25日(7月15日) | 西八幡宮 | 境内合祀社に神楽崎神社(菅原道真神霊)を祭る。悪疫防護を願う祭礼で、神前祭礼と神輿御神幸が行われる。舗装道路になる以前には、御神幸に先立って立砂を盛り、直前に砂を広げて清浄な道をつくった。 | |
盆の行事の料理 | 8月13日〜16日 | 各地 | 盆の期間中、親の健在な者はサシサバ(塩サバ)を食べる。野草のヒユの柔らかい所を摘み、ひたしもの・汁の実などにして食す。精霊棚(仏前)には、蓮や里芋の葉を広げて胡瓜の馬、茄子の牛・迎え団子などを供える。 | |
下町荒神さん歳神さん | 1月5日(1月15日) | 下町歳神社 | 母里下町歳神社と呼ぶ土蔵造りの小祠があり、神輿・幟・天狗面・獅子面のほか、木製の鉄砲・槍・刀が納められている。頭屋を「しめの内」と呼び、下町5戸、旭町4戸が交代で勤める。 | |
鎮火祭(獄さん祭り) | 11月中 | 獄神社 | 母里町・下町・朝日町で火伏せ祭り(鎮火祭)を行う。神社で湯立て神事をして、各戸を歩きながら戸口毎に笹の葉でもって湯をふりかけ、祓い清める。 | |
宮すもう | 10月15日 | 西八幡宮 | 古くから草相撲が盛んで、藩政時代には近郷から力士が参加したという。現在は神社祭礼係と体育協会の共同で、小中学生の相撲大会が開催される。 | |
ひも落し参り | 10月15日 | 各地 | 母里地区内に西八幡宮、東八幡宮、大渡神社の三社があり、秋の例祭日には氏子中の4歳児が宮参りをする。嫁の里から着物や帯が贈られ、家で紐落しの祝いをする。これを境に一つ身の着物から四つ身の着物になった。 | |
むこ神さん | 11月13日 | 東母里地区 | 子供たちが、「むこ神さんにクロ米(玄米)要らぬ、ついた米、ついた米」と言いながら、各家を回って白米を集め、小豆飯を炊いて神前に供えて、一緒に食べた。でき物が治るとか出来ないという。大正時代まで。 | |
雨乞祭り | 不特定 | 大木社日ヶ丘 | 元来水不足の地帯水源に乏しく、水田はため池による潅漑水に依存することが多い爲に水不足による雨乞祭りも再三行われてきた。地区中央に社日(塚)さん木之山さを祭る小丘あり。この丘上に地域全員で松枝葉を山の如積み上げ神職による雨乞祈願、奏上後に火をつける。毎回降雨を見たという。 | |
菖蒲の節句 | 6月5日 | 各地 | 男の子の節句と通称される。男の子が誕生すると、嫁の実家から絵幟(家紋入)が贈られる。蓬・茅・菖蒲を束ねて屋根に上げる。笹の新葉で米の粉団子を包み、い草で巻いてゆでる。この笹まきを嫁の実家に届ける。 | |
荒神さん祭り | 10月7日 | 守合いの荒神さん | 頭屋宅に集まって藁蛇をつくり、御神酒を供える。 | |
荒神祭り | 11月中 | 頭屋宅 | 才ヶ峠6戸の小集落にて文化文政頃に開墾定住した一門でまつる荒神は、同族荒神と考えられる。荒神社は女人禁制で、祭りの参拝は夜に行われ、神木の周囲の玉砂利は裸足で歩く。甘酒を供えて酒造の代わりとする。 | |
念仏講 | 3月24、25日頃 | 極楽寺 | 頭屋とジゲの子供たちが極楽寺(無住の小堂)に集まって、念仏を唱えながら珠数を繰る。頭屋は決まった家で、数代前の当主が心願の筋あって百万遍念仏講をはじめたという。必ず黒大豆飯を炊き、講中に配る。 | |
れんげ祭り(麦まつり) | 6月15日 | 各家 | 田植え後に麦祭りを行う。この日は田の草取りをせず、新麦を氏神に供えて、家では新麦で麦団子と麦飯(団子飯)を作って食べる。 | |
輪くぐりさん(大祓い) | 6月30日 | 西八幡宮 | 氏子は人型に各自の生年を記して体をなで、神社に持って参る。氏子全員の人型を、祈願のあと川に流す。神社の鳥居に大きな茅の輪が設けられ、人々はこれをくぐる。これらは災厄除けの行事である。 | |
井尻村 | とんど祭り | 1月5日(1月15日) | 志保美神社 | とんど場に立てた神木(竹)の根もとに、各戸から集められた正月飾り、古い神札などを置いて燃やす。この火で焼いた餅・スルメを食べると病気をしない、書き初めが高く燃え上ると字が上手になるという。 |
どうせぎ | 1月 | 各地 | 小集落ごとに奉斎されていた歳神社には、神幸用の神輿と大きな鼕が備えてあった。神迎えした歳神社で、頭屋や当番が籠りながら鼕を叩いて、隣り集落と音を競い合った。戦前まで。 | |
八朔まつり(八さくさん) | 8月30日 | 地区内、八幡社 | 現在において井尻で唯一の夏祭り。御神幸通路に御神炉が点され、注連縄が張られる。宮相撲(草相撲)が奉納される。 | |
念仏講 | 8月24日 | 頭屋宅(阿弥陀堂) | 井尻地区内に何ヶ所か地蔵盆念仏講がある。講員は23日からお籠りして念仏三昧したと伝えられるが、今日では24日に供物料理を頭屋に持ち帰り、供養念仏をあげる。子供を主とした行事になっている。 | |
宮すもう | 10月15日 | 八幡社 | 以前にはこの宮相撲は近郷から若者が参集し、力を競い合ったというが、今日では子供相撲が主になりつつある。 | |
ひも落し | 11月15日 | 八幡社 | 帯直し、帯結びとも呼ばれる。嫁の実家から贈られた紐のない晴れ着を着て、帯をしめて氏神に参る。氏神社で神職による祈念を受ける。これを境にして、大人並みの氏子に数えられる。家では実家、親戚にご馳走を出す。 | |
さえの神 | 12月15日 | 部張峠 | 赤屋と母里を結ぶ街道部張峠の頂上に、才の神をまつった大きな石碑がある。外から悪人・悪病が村に入らぬよう祭った。縁結びの願い事には炭を負わせた藁馬を、耳の不自由な人は椀の底に穴をあけて藁を通したものを供えた。 | |
盆踊りと万とうろう | 8月23日 | 日次祐福寺 | 寺(曹洞宗)の境内にて、精霊を慰めるために夜半まで踊る。地蔵盆と重ねて行われているようである。近在で賑わいを誇った踊りである。 | |
高守荒神祭り | 不定 | 頭屋宅 | 供物は小豆飯。石製の壺に神酒を入れる。 | |
社日さん | 春秋彼岸戊の日 | 社日塚 | 社日さんは土の神様を祭るとされている。この日は農耕を休み、小豆飯やぼた餅などを神前に供える。秋の社日には、稲株(最初に植えた田の稲)を鳥居形の竹にかけて供え、もう1株を恵比須棚に供える。 | |
正月餅つかぬ | 1月 | 井尻の大平では、正月に餅を搗かない。正月餅を搗くと腹痛になると言われている。したがって、正月餅は他集落から必要量を確保している。尼子氏滅亡の永禄頃から今日まで厳重に守られているという。 | ||
赤屋村 | あたごさん祭り(城山まつり) | 8月13日(8月17日) | 城山 | 下十年畑の城福寺で行われた十七夜踊りと、薬師堂の踊りを合わせて、高尾城見張所の小丘山上で万灯籠を点した終夜踊る。高尾城には愛宕さんがまつられていた。盆踊りは、ばんばら・小尽し・小提寺。 |
大山さん | 5月24日 | 山上 | 旧4月24日に、子供たちは山に登って、「奉寄進伯耆国会見郡角盤山大山智明大権現御旗一旒」と書いた旗を立てて、弁当を食べた。大山を遠望できる場所に立てたという。昭和初め頃まで。 | |
ひっぱってごせ祭り(城山まつり) | 3月28日 | 久根荒神社 | 久根集落12戸が祭る。依代は檜の老木で、頭屋は輪番で勤める。女人禁制。藁蛇はつくらず、舌餅を搗いて供える。餅を供える者は、参拝者に「ひっぱってごせ」と呼びかけて、餅を引っ張り取ってもらう。厄除けになるという。 | |
滝さん祭り | 8月13日 | 滝神社滝壺前 | 熊谷の滝は、黒坂の滝大明神が自ら地を選び遷られたという伝承を伝える。病気・旱魃に効験があり、幕政期には参拝者が多かったという。戦前において既に廃れていた祭りを復活させた。 | |
さえの神さん | 12月15日 | 矢原神社 | 「さえの神は15日、子供たちゃ参らんか」とはやしながら、藁馬に炭を負わせて持って参り、良縁に恵まれるよう祈った。耳の神様ともいい、耳の不自由な人は椀の底に穴をあけ縄を通して祈願した。 | |
宮参り(初宮参り) | 出生30日目頃 | 各地氏神社 | 初宮参りをして、氏神の加護と子供の成長を願う。わざと泣かせて、泣き声によって氏神に氏入りを報告した。帰りに近隣に挨拶をする時、銭を紙に包んで水引き又は芋でくくって渡した。 | |
にはんさん | 2月中旬(2月15日) | 集落の境 | 草野地区の草野神社(旧十二所権現)に、氏子が藁一把ずつ持ち寄って藁蛇をつくる。蛇の尾を頭上で振り回しながら、集落境まで送り、頭を川下に向けて橋のたもとにすえる。悪霊悪疫の侵入を防ぐためという。 | |
滝さん祭り | 8月13日 | 熊谷の滝 | 黒坂の滝明神がこの地に飛来したという伝承あり。かつては、旱魃時に焚き火をたいて雨乞をしたという。当行事は近年復活させた祭りである。 | |
サンバイ祭り | 不定 | 水田水口 | 田の神をサンバイさんと呼ぶ。冬には歳神、春には田の神、半夏を過ぎると畑に上がられて、やがて山の神になると伝えられる。田植時期に水口に卯の木や栗の木の枝を立て、正月2日山入りの時のマキの枝で以って、正月の縫い初めに供えた米を炊いて供えた。 | |
歳とりと正月 | 1月 | 上小竹矢原社地区 | 矢原神社(権現)下の歳とりは、大晦日にヤアクサシ(厄挿)を立て、豆を撒き、銭金柴で黒豆をいって、白米とともに神棚に供える。節分と同じようにして撒き、元旦朝にはオヒネリにして神社詣りや正月歩きに届けた。 | |
盆の送り火、迎え火 | 8月13〜16日 | 各家 | 13日夕方、家の前で火を焚いて、「盆さん盆さん、この明かりでござっしゃい」と唱える。16日には同様にして、「盆さん盆さん、この明かりで帰らっしゃい」と唱える。13〜16日まで毎夕、墓地に香灯明を点して拝む。 | |
節供 | 3月3日、5月5日 | 各家 | ひと月後れで節供を祝う。以前には男の子が生まれると、3月3日に嫁の里や親類から泥天神が贈られた。一生の間これを飾り、本人が亡くなると氏神社や荒神に納めた。5月5日には、絵幟を立てて、菖蒲で悪魔祓をした。 | |
れんげ祭り | 7月15日(旧6月15日) | 矢原神社 | 神社で麦祭りが行われ、神輿に麦を供える。この日に各家では田の草取りをしない決まりで、麦飯・麦団子を食べた。 |
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