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特別展 平成の大遷宮 出雲大社展 展示替え(三十六歌仙図額について)

特別展「平成の大遷宮 出雲大社展」から、三十六歌仙図額の紹介です。
六枚ずつ展示されていて、会期中に6回もの展示替えが予定されています。
(現在、1回の展示替え済。今後5回展示替え。)


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三十六歌仙図額 三十六面/土佐光起筆

(大きさ/各 縦59.2、横37.8)
(時代/江戸時代:17世紀)
(所蔵/出雲市 出雲大社)


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解説(図録より一部抜粋)

土佐光起(1602~74)の新出作品。これほどの出来の優品が秘蔵されていたのだから
出雲大社は懐が深い。三十六面完備。

歌仙図とは、崇拝すべき名歌人の姿を描き、その詠歌を書き添えるもの。
鎌倉時代から見られ、とくに近世には盛んに神社に奉納され、拝殿の
梁上などに掲げられた。
藤原公任(ふじわらのきんとう)撰の三十六歌仙を描く本作品も、かつて拝殿に
掲げられていたと目される。左十八歌仙は向かって右側(神様からみれば左)に、
右十八歌仙は左側に配して奉納され、その順番は、左右の接する中央から外側に
向かって並ぶ。

一部作品の裏面に「土佐左近衛将監光起図」の落款がある。筆跡は土佐光起の
手になるものとみてよい。

各図は、板に白色顔料で下地を作った上に濃彩で描かれ、上部の和歌は、
金泥による細やかな装飾をほどこした料紙にしたためられ、板に貼り付けられている。
歌仙像の均整のとれた身体の造形、丹念に描きこまれた衣裳の繊細な文様描写、
優美な配色、深みのある表情を表現しえた繊細精緻な面貌描写など、
画面は本格的な大和絵技法と画家のすぐれた造形感覚に支えられている。

中世以来、大和絵の伝統を継承した土佐家は、戦国期にいったん宮廷の
絵所預(えどころあずかり)の職を失う。その土佐家を同職に復職させ、
内裏造営に参加し、土佐派を都に復活させたのが光起だった。

残念ながら多くの図で和歌部分が意図的に切り取られており(別に仕立てられたか)、
賛者の検討は難しい。


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展示替え予定表


■1期(4月12日⇒22日 ※ 終了しています)

・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
・斎宮女御(さいぐうのにょうご)
・源重之(みなもとのしげゆき)
・在原業平(ありわらのなりひら)
・宗于朝臣(むねゆきあそん)
・伊勢(いせ)

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■2期(4月23日⇒5月3日)

・源順(みなもとのしたごう)
・猿丸大夫(さるまろのたいふ/さるまるだゆう)
・僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
・中務(なかつかさ)
・清原元輔(きよはらのもとすけ)
・坂上是則(さかのうえのこれのり)

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■3期(5月4日⇒14日)

・壬生忠見(みぶのただみ)
・中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ)
・源公忠(みなもとのきんただ)
・藤原清正(ふじわらのきよただ)
・藤原仲文(ふじわらのなかふみ)
・三条院女蔵人左近(さんじょういんにょくろうどさこん)


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■4期(5月15日⇒25日)
※5月21日(火)は休館日

・平兼盛(たいらのかねもり)
・藤原高光(ふじわらのたかみつ)
・小野小町(おののこまち)
・藤原敏行(ふじわらのとしゆき)
・源信明(みなもとのさねあきら)
・中納言朝忠(ちゅうなごんあさただ)


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■5期(5月26日⇒6月5日)

・凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)
・壬生忠岑(みぶのただみね)
・頼基(よりもと=おおなかとみのよりもと)
・敦忠(あつただ=ふじわらのあつただ)
・紀友則(きのとものり)
・藤原元真(ふじわらのもとざね)


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■6期(6月6日⇒6月16日[会期末])

・素性法師(そせいほうし)
・山部赤人(やまべのあかひと)
・中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
・興風(おきかぜ=ふじわらのおきかぜ)
・大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)
・紀貫之(きのつらゆき)



関連リンク
★特別展「平成の大遷宮 出雲大社展」(→6月16日)
★特別展「平成の大遷宮 出雲大社展」展示替えスケジュール(PDF)

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