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お知らせ

日本最古の石器確認か
松藤和人同志社大学教授を中心とした調査団が出雲市で調査

1.遺跡名 砂原(すなばら)遺跡
2.所在地 出雲市多伎町
3.調査主体 砂原遺跡学術発掘調査団(団長 松藤和人同志社大学教授)
  地質・地形関係を専門とする学者3名のほか、関西方面の旧石器を専門とする研究者、同志社大学学生など17名で構成される。

4.調査の経緯
出雲市在住の自然地理学者、成瀬敏郎氏(古土壌学)が、今年8月、出雲市多伎町の海成段丘(約12~13万年前に形成)上で火山灰と古土壌が交互に堆積した断面を確認。表面を清掃し堆積状況の調査を行ったところ、古い火山灰の下に堆積した古土壌から、玉髄(ぎょくずい)製の鋭い石片を発見した。同志社大学文学部の松藤和人教授(旧石器考古学)に鑑定依頼を行ったところ、人工的に剥がされた剥片(はくへん)の可能性が極めて高いことが判明。調査を行うに至ったという。

5.調査概要
調査は、事前予備調査の2回に分けて行われた。予備調査は8月22日から24日かけて、石器が発見された断面の詳細観察と清掃作業が行われ、石器包含層らしき古土壌が明確に残されていることを確認、同じ層から新たに人工品らしき石片も発見されている。また各層の由来や時期を調べるための土壌サンプリングも行われた。
発掘調査は9月15日から開始され、9月24日現在も調査中である。予備調査のサンプリング土の火山灰分析により、火山灰層のうち1層は大田火砕流、最下層のものは木次火山灰(約11万年前)と判明、石器は木次火山灰層の下から発見されているため、少なくとも11万年前以前のものと推定されるに至った。調査は石器が採集された地点の隣接地で行われ、断面で確認されていた良好な土層堆積が広がっていることを確認すると同時に、石器出土面が当時の地表付近であったことが確認できる成果を上げている。また、若干の石片が出土しており、人工品の可能性のある資料も認められているという。

6.意義
・約11万年前以前の地層中に旧石器(日本最古)が包含されている事実が確認された。

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