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石見銀山遺跡世界遺産登録1周年記念「石州銀展」

 2007年7月、世界文化遺産に登録された石見銀山遺跡。かつて大量で良質な銀を生産し、16世紀後半から17世紀初めにかけて国内外に影響を与えた日本有数の銀鉱山です。ここで生産された銀は、戦国時代から江戸初期にかけて、板状のものに加工されて海外にもたらされ、また、国内では軍資金や恩賞用、あるいは実際の流通貨幣として利用されました。
 貨幣の収集界では今日、古丁銀と呼ぶ資料があります。おおかたは長楕円形をした板状のもので、江戸幕府の貨幣政策の下で製作された、いわゆるなまこ型の丁銀に先行するタイプです。その代表が、石見銀山産出の石州銀(石見銀)であったことは言うまでもありません。しかし、現存する例は少なく、しかも完全なかたちで伝わることが極めて稀です。
 島根県はこれまで、石見銀山遺跡の世界遺産登録に向けた取り組みの中、様々な角度からの総合調査や情報発信などを行ってきました。その中で、石州銀山を語る上で貴重な石州銀の購入収集にも努めてまいりました。その代表例が、いまでは石見銀山の広報に欠かせなくなった御取納丁銀です。
 この特集展は、石見銀山遺跡が世界遺産に登録されてから、ちょうど1周年を迎えるのを記念して企画しました。折しも石州銀の完全品を収集されている関西のコレクターの方から、当博物館が一括して寄託を受けることになり、今回まさにその名どおりの「石州銀展」が可能となりました。
 寄託いただいた資料は、古丁銀の個人コレクションとしては最も優れたものであり、これらが島根県所有のものとをあわせて一堂に公開されるのは、今回の特集展示が初めてです。是非この機会に、古丁銀の完全品、そして石州銀の魅力をご鑑賞いただきたいと存じます。


■会 期
2008年5月31日(土)~年7月6日(日)まで (会期中6/17(火)は休館)

■会 場
島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室
 ※特集展「絵でみる考古学―早川和子 原画展」と特集展「国宝指定記念特別陳列 加茂岩倉銅鐸の世界展」と同時開催

■観覧料
常設展観覧料のみでご覧いただけます

■主 催 島根県教育委員会・島根県立古代出雲歴史博物館



■主な展示品
譲葉渦文丁銀・文禄石州丁銀・山口天又丁銀・戎一文字丁銀・括袴丁銀・出雲木瓜切銀など27点(個人所蔵)
御取納丁銀・文禄石州丁銀・御公用丁銀・石州丁銀および切銀など7点(島根県所蔵)
ほかに石見銀山遺跡の世界遺産登録にいたる軌跡や、調査研究の歩みが分かる資料を関連して展示
(登録認定書・登録推薦書・調査研究報告書全冊・銀インゴットなど)


■関連イベント
・ワークショップ
 ●「プラバンで石州丁銀キーホルダーをつくろう!」 
  7月5日(土)13:00~16:00、参加費150円、定員50名(事前申込不要)
 ●「銀塊に触ってみよう!」
  7月5日(土)10:00~12:00、参加費:常設展観覧料が必要(パスポート会員は不要)
  事前申し込み不要(ただし、白手袋をしてもらいます)
 ●展示解説「石州銀のはなし」
  7月5日(土)1回目11:00~12:00、2回目14:00~15:00 
  当館学芸員による、講義室及び展示会場、定員各30名
  参加費:常設展観覧料が必要(パスポート会員は不要)
申し込み:電話、FAX,ホームページのイベント参加フォームにて受付。定員になり次第締め切りとさせていただきます。 

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