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松江開府400年 どすこい!--出雲と相撲--

(化粧まわし姿一人立 雷電為右衛門・相撲博物館蔵)

松江開府400年
どすこい!--出雲と相撲--

島根県は、国譲り神話や野見宿祢の伝承などから相撲の起源の地とされている。神話伝承上の話はともかく、相撲史上、出雲抜きに語れないのは江戸時代である。松江藩は雷電為右衛門など多くの力士を抱え、これらの力士は雲州力士として江戸などの勧進相撲で活躍するとともに、地元では、出雲大社などで土俵入りや勧進相撲を行っている。また、現在の祭礼行事を見ても、當為知相撲、神の相撲など特徴ある神事相撲が多く伝承されている。
この相撲に縁の深い島根の地から、雲州力士の活躍の様子を中心に、相撲の歴史に迫る。
(前期と後期で展示資料が大きく変わります。→展示資料・展示替リストへ

会期: 2009年7月17日(金)~9月23日(水)
会期中の休館日:7月21日(火)、8月18日(火)、9月15日(火)
主催: 古代出雲歴史博物館

●観覧料は以下の通りです

 当日券団体券前売券
一般特別展1,000円800円 -
常設展600円480円 -
セット券1,300円1,040円1,000円
大学生特別展500円400円 -
常設展400円320円 -
セット券700円560円550円
小中高生特別展300円240円 -
常設展200円160円 -
セット券400円320円300円

※団体は20名以上です。
※小・中・高生の学校教育活動での観覧は無料(観覧料減免申請書の提出が必要)です。
※障害者手帳をお持ちの方、及びその付添人(手帳保持者1人につき、1人まで)は無料です。
古代出雲歴史博物館年間パスポートでご覧いただけます。

 
展示概要
1 相撲の源流
 相撲の源流の一つに、国譲り神話などに語られるように力較べがある。そしてその力較べは基本的に「裸身に褌」姿で行うものと考えられた。古墳時代の埴輪などから相撲の源流を探る。
 

力士埴輪(和歌山市教委蔵)
力士埴輪(和歌山市教委蔵)
力士埴輪(高槻市埋蔵文化財調査センター蔵)
力士埴輪(高槻市埋蔵文化財調査センター蔵)
子持壺付装飾器台(部分・倉吉博物館蔵)
子持壺付装飾器台(部分・倉吉博物館蔵)
2 出雲大社と相撲―相撲の始まり―
 相撲の起源説話として、垂仁7年7月7日の出雲の野見宿祢と当麻蹴速の力比べがある。野見宿祢は、天穂日命の14世孫であり、出雲国造と同じ血脈である。相撲の祖ともされる野見宿祢に焦点をあてながら、出雲と相撲との関係を考える。

コラム1 相撲の成立―相撲節―
 古代において、七月七日、全国から相撲人を集めて、宮中で相撲を行う相撲節が行われた。この節会に参加した出雲の相撲人の記録も残されている。この相撲節は、農耕儀礼と服属儀礼の性格を併せ持つもので、後の勧進相撲などに少なからずの影響を与えている。いわば日本の相撲は相撲節を通して成立したのである。相撲節を通して日本の相撲の成立を考える。
  
3 出雲大社と相撲―技芸としての相撲―
 相撲節は平安末には行われなくなるが、相撲節に参加した、もしくはその流れをくむ相撲人は寺社などの祭礼において、いわゆる芸能として相撲を奉納するようになった。出雲大社においても、三月会などで相撲が奉納される。このような技芸として奉納された中世の相撲の様子を紹介する。

野見宿禰画像(たつの市立龍野歴史文化資料館蔵)
野見宿禰画像(たつの市立龍野歴史文化資料館蔵)
相撲古図
相撲古図
相撲人形(御上神社蔵)
相撲人形(御上神社蔵)
4 雲州お抱え力士
 松平不昧から斉貴にかけて、松江藩は多くの力士を抱え、勧進相撲などで活躍した。例えば享和元年の番付では西方上位を松江藩お抱え力士が占め、松江藩力士がいなければ興行が成立しない程であった。松江藩お抱え力士の活躍を中心に、錦絵などを用いて現在の大相撲と直接つながる近世の相撲について紹介する。
  
化粧まわし姿一人立 雷電(相撲博物館蔵)
化粧まわし姿一人立 雷電(相撲博物館蔵)
稲妻雷五郎横綱土俵入之図
稲妻雷五郎横綱土俵入之図
諸国相撲控帳(個人蔵)
諸国相撲控帳(個人蔵)
コラム2 土俵の成立
 現在の型式の土俵は、近世になって成立している。それまでは、観客が土俵の役割を果たしていた。また南部藩では近世においても、四角土俵で相撲が取られている。絵画資料を通じて土俵の成立を紹介する。

コラム3 看板力士
 相撲興行上、観客を呼ぶため、体の大きな者などは、看板力士として番付に記された。彼らは土俵入りのみを行うことが多かったが、中には、松江藩の釈迦ヶ嶽雲右衛門・稲妻咲右衛門兄弟のように、実力を発揮した者もいた。興行としての相撲を、看板力士を通して紹介する。

コラム4 土俵を湧かせた好敵手たち
 雷電・花頂山、柏戸・玉垣、稲妻・阿武松の取組など、土俵を湧かせた取組は数多くあった。その熱狂を錦絵と通じて紹介する。

コラム4 藩の威信をかけて
 お抱え力士は、藩の力を誇示するいわば広告塔の役割も背負った。力士がどの藩のお抱えであるのか、それを端的に示すのが、化粧まわしである。化粧まわし姿の力士の錦絵を通して、当時の藩同士の激しい争いを紹介する。

コラム5 横綱
横綱とは、横綱を腰にしめて土俵入りを行える資格。吉田司家(そして天穂日命の血脈をひく五条家)がその資格を力士に与えていた。また現在、第○代横綱と呼ばれるが、この代数を決定したのは、島根出身の唯一の横綱、陣幕久五郎であった。この横綱の歴史を紹介する。
 
5 カミゴトとしての相撲
 島根には、祭などでカミゴトとして行われる特徴的な相撲が多く伝承されている。この相撲を映像などを用いて紹介する。
大童山文五郎基盤でろうそくの火を消す図(相撲博物館蔵)
大童山文五郎基盤でろうそくの火を消す図(相撲博物館蔵)
御船屋分見絵図(個人蔵)
御船屋分見絵図(個人蔵)
雷電所用化粧まわし(大石区蔵)
雷電所用化粧まわし(大石区蔵)
●「どすこい!」展連続講座
(1)第1回 
 日時  2009年7月18日(土)13:30~15:40
  「横綱・稲妻雷五郎と大相撲」 相撲博物館  土屋喜敬
  「陣幕久五郎と横綱碑」    相撲博物館  中村史彦 
(2)第2回
 日時  2009年7月25日(土)13:30~15:00
  「相撲の歴史」    東京大学大学院教授  新田一郎
(3)第3回
 日時  2009年8月1日(土)13:30~15:00
  「平安王権と相撲節」 島根大学教授     大日方克己
(4)第4回
 日時  2009年8月8日(土)13:30~15:00
  「松江藩と相撲」   古代出雲歴史博物館  岡宏三
(5)第5回
 日時  2009年8月29日(土)13:30~15:00
  「島根の神事相撲」  古代出雲歴史博物館  品川知彦

 
 場所  いずれも古代出雲歴史博物館講義室
 聴講料 無料(事前申込が必要です、申込はこちらから)

●相撲講談「寛政力士伝」
 寛政年間を舞台にした相撲話。雷電や谷風といった魅力的な力士が登場し、気軽かつ滑稽な内容で、十二分に楽しめます。講談を聞くめったにない機会です。

  日時  2009年8月2日(日) 13:30~15:30
  講談師 宝井琴梅
  場所  古代出雲歴史博物館講義室
  料金  無料(定員80名、事前申込が必要です、申込はこちらから)

●イブニングシアター
「雷電」(監督 牧野省三・1928年)
「大相撲」(昭和15年初場所映像記録)
 日本映画の父、牧野省三の遺作。雷電のあまりの強さに、対戦する力士がいなくなってしまう。そこで、俄か仕立ての力士として医者の藪井竹庵(牧野正博)が対戦相手として名乗りをあげるが・・・。双葉山が登場する昭和15年の映像記録とともに、弁士付きで映画を楽しもう!

  日時  2009年8月9日(日) 17:00/19:00(2回上演)
  場所  古代出雲歴史博物館講義室
  弁士  片岡一郎
  料金  無料(定員80名、事前申込が必要です、申込はこちらから)

  

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