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2 なぜ神々は出雲に集うとされているのですか。

 神社により、また同じ神社でも時代によって、様々に神々が出雲に集う理由が考えられています。ここでは代表的な4つの考え方を紹介しておきます。

(1)陰陽説
 陰陽の考え方では、極陰の時、極陰の場所にすべての陽が集うことによって、いわば世界が再生するとされていたようです。極陰の時とは10月、極陰の場所とは中央から見て北西の方向、つまり「出雲」です。つまり、10月に出雲に陽である神々が集うことは、いわば必然と考えられたのです。

(2)出雲大社祭神10月統治説
 様々な理由から、1年のうち10月だけは、アマテラスではなく、出雲大社祭神が日本を統治しているので、出雲大社に集うとするものです。なお、この考え方は中世に行われていたようですので、出雲大社祭神とはスサノヲのことだと考えられます。

(3)幽事説
 国譲りによって、天孫はこれまでオオクニヌシが治めていた顕露(目に見えること、政治など)を支配することになり、一方、オオクニヌシは幽事(目に見えないこと、人間の能力を超えていること、神々のこと)を支配することになります。そのため、全国の神々はその下知を受けに出雲に集うとするものです。これが現在の出雲大社に見られる考え方です。縁結びや来年の収穫などは幽事に属しますので、出雲大社で様々な縁を結ぶ議り事がなされるとされるのです。

(4)祖神イザナミへの孝行説
 イザナミは、中世末頃には10月に崩御、出雲に埋葬されたと考えられるようになります。イザナミはすべての神々の母神にあたりますので、神々は、崩御した月、埋葬された(祀られた)場所に孝行のために集うという考え方です。誤解を恐れずに言えば、現在的な意味の法事のために神々は集うのです。この考え方は中世末から近世の佐太神社、現在に至るまでの神魂神社などに見られます。

出雲大社神迎祭

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