HOME > ミニ企画「まぼろしの意東焼」

ミニ企画「まぼろしの意東焼」

 「意東焼」は、かつて松江市東出雲町下意東で製造されていた染付(そめつけ)*1の磁器。文化年間(1804~1818)に操業がはじまったといわれ、天保3年(1832)には松江藩の官営事業として操業しました。しかし経営はおもわしくなく、同13年(1842)に休窯、弘化元年(1844)に廃止されました。短期間の操業ながらも、様々な磁器が製作されました。
 今回は当館が収蔵する、意東焼の優品*2および、かつて窯跡から見つかった磁器の数々を紹介します。

*1 染付 白地に青の釉薬(呉須釉(ごすゆう))で文様を描き、透明な釉薬をかけて焼成した磁器。
*2 元東出雲町文化財専門委員 故・周藤國實(すどうくにみ)氏(松江市東出雲町)のコレクションより。周藤氏は幻の磁器・意東焼ほか数々の資料を独力で蒐集、後生に伝えることに尽力され、平成14年(2002)には多数のコレクションを島根県に寄贈された。

展示期間


 令和6年3月13日(水)~5月20日(月)
 ※会期中の休館日:4月2日(火)、4月23日(火)、5月7日(火)


開館時間


  9:00~18:00(最終入館17:30)


会  場


 古代出雲歴史博物館 常設展示室


料  金


  常設展の入場料金でご覧いただけます。(追加料金はかかりません。)
 (一般620円、大学生410円、小中高生200円)


主な展示品(すべて古代出雲歴史博物館所蔵)



① 菊霊亀図朝顔形大鉢(きくれいきずあさがおなりおおばち) *下段は側面
 手水鉢。外側には意匠化された菊を、見込み(内側)には霊亀(れいき)を大胆に描いた大作。高台(こうだい)内側に「天保年製 雲陽長歳山(うんようちょうさいざん) 月漢(げっかん)画」の銘がある。意東焼を代表する作品。


菊霊亀図朝顔形大鉢


菊霊亀図朝顔形大鉢側面







② 船通山大川図盃(せんつうざんおおかわずさかずき) *下段は裏面
 見込みには船通山がそびえ、山々の中を大川(おおかわ)(斐伊川)が蛇行しつつ流れるさまを、外側には、大川の本流とともに天保3年(1832)に治水対策により開削された新川(しんかわ)(出雲市斐川町)も描く。高台内側に「長歳山(ちょうさいざん)天保製」の銘あり。


船通山大川図盃


船通山大川図盃裏面






ページトップ