ミニ企画「屋根裏のオフダ」
旧家の屋根裏や蔵の中から、神社・寺院の古いお札(ふだ)が大量に見つかることがあります。これは、「お札をたくさん集めると、厄除けや雷避けのご利益(りやく)がある」という信仰があったためです。今回のミニ企画では、そのような経緯で島根県内のお宅に保管されていた江戸~明治時代のお札と、それにまつわる品々を特集展示します。
お札の発行元は近隣に限らず、京都や伊勢など遠く離れた社寺のものが含まれています。江戸時代、社寺参拝を目的とした旅は民衆の大きな楽しみで、旅先でもらったお札を持ち帰ったとみられます。また、江戸時代の有力社寺には御師(おし)・太夫(たゆう)と呼ばれる布教者がおり、全国各地の村々をまわって信者にお札を配り歩いていました。人々は毎年、新しいお札をもらうことで、容易に参拝できない遠方の社寺からご利益を得ようとしていたのです。今回のミニ企画「屋根裏のオフダ」では、お札を集めることで神仏にすがり、平安を祈った人々の信仰文化をご紹介します。
展示期間
令和6年5月22日(水)~令和6年7月15日(月)
※会期中の休館日:6月4日(火)、6月18日(火)、7月2日(火)
開館時間
9:00~18:00(最終入館17:30)
会 場
古代出雲歴史博物館 常設展示室
料 金
常設展の入場料金でご覧いただけます。(追加料金はかかりません。)
(一般620円、大学生410円、小中高生200円)
主な展示品
①木製の宮形(当館蔵)
雲南市大東町の旧家から見つかったもので、この中に約1,000点ものお札がぎゅうぎゅうに収められていました。今回初公開。
②遠方の社寺が発行した様々なお札
左から愛宕山・鞍馬寺(京都府)、多賀大社(滋賀県)、大峯山(奈良県)のもの。
③伊勢暦(松江市蔵/画像は部分)
伊勢の御師がお札とともに配っていたもので、江戸時代から薬局を営む山口卯兵衛商店(松江市末次町)で保存されていました。