出雲市別所町にある鰐淵寺は、天台宗の古刹です。伝承では推古天皇2年(594)に、智春上人が推古天皇の眼病を平癒させたことから勅願寺(ちょくがんじ)として建立されたといいます。 後白河法皇が編纂した歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』にもその名が出てくることから、平安時代の都の人々にも知られていたようです。 また鰐淵寺は、重要文化財9件をはじめとする貴重な文化財を数多く所蔵していることでも知られています。その中から、島根県指定文化財40点の内、木彫5点、鏡像8点、懸仏2点、密教法具2点の計17点を展示します。 鰐淵寺の文化財がまとめて公開されるのは、平成26年の「鰐淵寺」展以来初めてです。この機会に、修験の聖地で人々を見守ってきた宝物(ほうもつ)に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。