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島根の伝承文学への掲載資料について


 島根県に存在していた伝承文学(民話、わらべ歌、民謡などの口承文芸のこと)をホームページ上で一般に公開するにあたって、そのねらいなどを整理しました。

1 ねらい
 民話などの伝承文学は、無形民俗文化財として近年その重要性が認識されつつあるが、その語りや歌そのものは、文献はあっても、具体的な語られ方や歌われ方については、よく解らないというのが実際であろう。文部科学省でもこれらの持つ意義を重視し、学習指導要領でも指導する方向を打ち出している。
 そこで、これまで古老などの伝承者を訪ねて、録音してきた音源をインターネットに載せて公開すれば、学校現場はもちろんのこと、一般の方々にも大いに理解が深まることであろうと考え、公開するものである。

2 公開の仕方
 県内で伝承されてきた民話、わらべ歌、民謡の3分野を出雲、石見、隠岐の3地区に分けながら公開する。資料提供は、長年、伝承者を訪ねてこれらを収録してきた酒井董美氏(元島根大学法文学部教授・前出雲かんべの里館長)が担当する。
 なお、酒井氏の収録資料音源データは先年、島根県古代文化センターに寄贈されている。
 音源を公開するにあたり、ホームページ上では酒井氏により詞章を文字化し、解説を加えることとする。これにより、テキストを目で追いながら伝承者自身の語り、あるいは歌を聴けることになる。

3 留意点
(1) 学術資料としても研究者が利用できるよう、収集地名を記しておく。 伝承者名については、個人情報保護のため、氏名は伏せるもののとする。ただ性別と生年(場合によっては収録時の年齢)は資料的な意味から明記する。
(2) 酒井氏の提供によって作られていたWEBページ「出雲出雲かんべの里」の民話館にある「民話の部屋」の資料とは重複しないようにした。
(3)今日の人権意識から見れば、不適切と思われる表現が用いられている場合があるが、伝承された内容を正確に後世に伝えていくことが学術的に大切であること、伝承された内容を歴史的事実として真剣に直視することこそ差別問題等の本質的な解決にとって必要であると考えることから、あえて改めなかった。

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