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四 正月行事でめでたい!

 正月には、その年の豊作や大漁、無病息災を祈って様々な行事が行われます。ここでは歳徳神祭を中心に紹介します。
 歳徳神とは、集落ごとに祀られる歳神です。家ごとに迎える歳神とともに、集落で祀る歳徳神が祀られ、正月にその祭が行われることが出雲地方から伯耆西部地方の特徴とされています。記録で見る限りこの歳徳神祭は、1730年代頃には何らかの形で始まっていたと考えられます。



歳徳神

歳徳大御神
江戸時代末(19世紀)
当館(周藤コレクション)
 中近世に伊弉諾尊・伊弉冊尊を主祭神としていた佐太神社で発行された歳徳神の掛け軸。この軸を正月に床などに飾ったものと想定されます。

















吉兆幡(大鳥居)

島根県指定有形民俗文化財
吉兆幡「歳徳神 大鳥居町」
昭和6年(1931)
大鳥居町吉兆行事保存推進協議会
 大社町の正月を彩る吉兆神事(島根県指定無形民俗文化財)。出雲部の他の地域とは異なり、大社町では鉾・扇を先端につけたこの幡をいわば歳徳神の依り代としています。幡にあしらわれた龍は繁栄をもたらすもの、虎は霊獣とされ、聖域の守護や成功の象徴などと考えられています。この幡では、虎は吉祥文の竹と組み合わされています。



















白式尉

能面 白式尉
桃山時代-江戸時代(16-17世紀)
日御碕神社
 能の演目「翁」は古くはその日の能の最初に舞われていましたが、現在では正月などめでたい時に天下安穏などを祈願して舞われます。最初に翁(シテ)が直面で出て、千載が舞う間に翁は白式尉の面をつけます。そしてひとしきり舞った後に面を外し退出します。その後、三番叟が黒式尉の面をつけて舞います。



三番叟 かしら

糸操り人形 かしら「三番叟」
昭和12年(1937)以前
出雲市
 「寿式三番叟」に用いられたと推定される大社糸操り人形の「かしら」。「寿式三番叟」は能の「翁」を歌舞伎や浄瑠璃などで演じるもので、能と同様に正月などめでたい時に行われました。糸操りといえば益田糸操り人形(島根県無形民俗文化財)が県内では知られていますが、かつては佐太神社(松江市)や大社町などでも行われていました。

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