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六 とにかくめでたい!

 人々は様々な吉祥文様があしらわれた衣服や調度品などを用いてきました。その文様に込められた人々の願いを読み取ります。またここでは文様に限らず、「めでたい!」と感じられるものも紹介していきます。


宝尽くし

宝尽くし
明治時代後期頃(20世紀)
当館
 珊瑚、宝珠、隠れ蓑、宝船、隠れ傘、お多福、宝鍵(富の象徴)、七宝、鶴、蓑亀、打出の小槌、扇、金嚢、軍配、丁子、諌鼓鳥(天下泰平の象徴)などめでたい文様尽くし。



洲浜菊花双鳥鏡

県指定文化財 洲浜菊花双鳥鏡(線刻阿弥陀如来鏡像) 
鎌倉時代(13世紀)
鰐淵寺 
 鋳銅製の鏡で、水辺の洲に菊花などが刻まれています。謡曲「菊慈童(きくじどう)」では、経文を菊の葉に書き、そこから滴る露を呑むと不老不死となると伝えています。このようなことなどから菊は長寿の象徴とされました。なお、表面(鏡面)には毛彫りで阿弥陀如来像が刻まれています。





蓬莱鏡

松江市指定文化座 蓬莱鏡
南北朝時代(14世紀)
熊野大社(松江市)
 鋳銅製。蓬莱とは中国の伝説上の山で不老不死の仙人が住むとされる理想郷。波とそびえたつ岩に、鶴、亀、松などのめでたい文様をあしらい仙境のイメージが作り出されています。






戒体箱 天文3

県指定文化財 戒体箱
天文3年(1534)
迎接寺(松江市)
 戒体箱とは、密教儀礼において戒状などを納める箱。木胎に金銅地板を張り、法輪、羯磨杵、三鈷杵などをあしらった金銅地装飾金具などで覆っています。法輪は法が人から人へと広まることを喩えているとされ、中国では、仏法に基づいた宗教上の吉祥として八宝(八吉祥)とされています。


鶴寿

「鶴寿」(西晴雲 筆)
昭和時代(20世紀) 
当館
鶴寿とは鶴のように長寿の意。西晴雲(1882-1963)は大田市生の日本画家。彫刻家を目指しましたが眼を患い絵画に転向。南画の吉嗣拝山に師事。南画の源流を求めて中国に渡航。北京画壇の重鎮であった斎白石に師事。その後、上海に上海南画院を創設。大戦後に帰国し、サントリー社長邸で制作に専念しました。長福寺(大田市)には多くの作品が残されています。








龍図

龍図
江戸時代前期(17世紀頃)
 孔子図・龍図・鯉図からなる3幅対のうちの1幅で、狩野常信(かのうつねのぶ)(1636-1713)筆と伝えるものです。龍は想像上の霊獣で、めでたい時に天の使いとして出現されるとされます。















松江大橋渡リ始景

松江大橋渡リ始景
明治時代(19世紀)頃
当館
 嘉永7年(1854)に完成した吉祥(松江)大橋の渡り初めを描いたもの。渡り初めは橋や道路の完成を祝うもので、老齢の夫婦や3代の夫婦がそろった一家を先頭に行うことが多く見られます。ここでは、子どもが10人いる現松江市美保関町の徳兵衛一家が渡り初めをしています。


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