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中国青磁の優品が約40年振りに里帰り!!
重要文化財・出雲市荻杼古墓出土品を展示(2009/9/16~2/15)

開催日
2009年09月12日

青磁碗
青磁碗
陶製甕(※写真は古代出雲歴史博物館が作成した複製品)
陶製甕(※写真は古代出雲歴史博物館が作成した複製品)

古代出雲歴史博物館では、「博物館所蔵の考古資料相互活用促進事業」により、奈良国立博物館から国指定重要文化財・出雲市荻杼(おぎとち)古墓出土品を借用し展示・公開します。荻杼古墓は昭和40年に出雲市荻杼町で発見され、出土品は国の所管となり昭和55年には重要文化財に指定されました。現在は奈良国立博物館に収蔵されていますが、このたび出雲の地に発見以来、約40年振りとなる初めての里帰りが実現しました。


1.展示場所
 古代出雲歴史博物館・テーマ別展示室「出雲大社と神々の国のまつり」コーナー

2.展示期間
 平成21年9月16日(水)~平成22年2月15日(月)
    ※第3火曜日は休館日です。

3.展示品の内容
■名称 「荻杼古墓出土品」一括
■内容
  青磁碗(せいじわん)2口
  青磁皿1枚
  陶製甕(とうせいかめ)1口(蓋石[ふたいし]あり)
■時期  鎌倉時代(13世紀)

4.展示品の見どころ
●青磁碗(口径約14cm・高さ約7cm)は、中国・南宋時代の龍泉窯(りゅうせんよう)で焼かれたものです。小さく締まった高台と整った蓮弁文(れんべんもん)が特徴的で、翠(すい)青色の青磁釉(ゆう)が美しい優品です。

●青磁皿(口径約17cm・高さ約8cm)も青磁碗と同様に龍泉窯の製品とみられ、内面に花弁と草花文の印刻があり、淡い白緑色の青磁釉がかかっています。この青磁皿と青磁碗は保存状態も良く、日本で出土した中国青磁の中でも極上の優品といえます。

●陶製甕は、口径約50cm・高さ約86cmの大型品で、愛知県の常滑(とこなめ)古窯で焼かれたものである可能性があります。


5.「博物館所蔵の考古資料相互活用促進事業」について
この事業は、「国立博物館」と「公立博物館」が所蔵する考古資料を相互貸借により展示・公開し、資料の有効活用と博物館の研究・展示活動の充実を図るものです。今回は、奈良国立博物館から荻杼古墓出土品を借用し、古代出雲歴史博物館からは大田市南八幡宮土経筒などを貸出します。


6.荻杼古墓について
 荻杼古墓は、昭和40年(1965)、出雲市荻杼町(一畑電鉄武志駅の西南約300m)で土地改良工事中に発見された。表土を水田にするために掘削したところ、石で蓋をした大甕が偶然出土。甕の中には青磁碗2口と青磁皿1枚や遺骨が納められており、付近からは石塔も出土したという。出土品は翌年、国の所有となり、昭和55年(1980)には重要文化財に指定された。
 この土地は、中世における出雲最大の土豪・佐々木氏の所領であり、古墓との関連が指摘されている。
 現在、古墓は埋め戻され、付近の墓地には出土した石塔が1基移築されている。

 

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