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お知らせ

常設展ミニ企画「れきはくのお経」(2016/5/25~7/18)

大智度論巻第三十七<br>(だいちどろんかんだいさんじゅうなな)
大智度論巻第三十七
(だいちどろんかんだいさんじゅうなな)

陀羅尼門諸部要目<br>(だらにもんしょぶようもく)
陀羅尼門諸部要目
(だらにもんしょぶようもく)

【会期】
2016年5月25日(水)~7月18日(月・祝)
※会期中の休館日6月21日(火)のみ


【会場】
常設展ミニ企画コーナー
(テーマ別展示室)


【趣旨】
仏教の教えを記した書物、それがお経です。仏教が伝わって以来、日本では数々のお経が書写されました。それは仏教の教えを学び、後世に伝えるほか、そのことによって仏教の功徳を積むという重要な意味を帯びていました。そのため当時の人々は、お経の1文字1文字を丁寧に書写し、さらに様々な装飾を加えることもありました。
今回は、当館所蔵品の中から、代表的な古写経2点を展示いたします。謹厳な文字と華麗な装飾からなる美をお楽しみ頂き、そこへ込められた祈りに思いを馳せて頂けたら幸いです。


【内容】
当館所蔵のつぎの経典2点を展示。

◆大智度論巻第三十七 1帖 
天平6年(734)奥書 紙本墨書 
当館蔵 島根県指定文化財


奥書によれば、天平6年11月23日に播磨国(現在の兵庫県)賀茂郡既多寺(きたでら)で書写されたという。かつては石山寺一切経(いしやまでらいっさいきょう:滋賀・石山寺に集められた経典群)の一部だった。『大智度論』は『大品般若経』(だいほんはんにゃきょう)というお経の注釈書で、仏教の百科全書のような位置づけをされているもの。本作が書写されたという奈良時代は、国をあげて仏教の隆盛が図られた時代であり、寺院の建立、仏像の造像、そして写経が頻繁に行われた。


◆陀羅尼門諸部要目(神護寺経)1巻 
平安時代・12世紀 紺紙金字 
当館蔵 重要美術品


後白河法皇が京都・神護寺(じんごじ)に奉納した「神護寺経」の一部と伝わる。紙は通常のものではなく紺色の紙が使われ、文字は墨ではなく金泥(きんでい:金色の絵具)で書かれている。さらに見返し(表紙の裏)には、釈迦が説法をしている様子の絵が金銀泥で描かれている。その優美な筆使いと色使いには、平安時代当時の宮廷社会の美意識が認められる。

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