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重要なお知らせ

常設展示室に「幻の染色-出雲藍板締め-」を設置します(4/22~)

昨年、平成20年3月から5月にかけて、当館では企画展「よみがえる幻の染色-出雲藍板締めの世界とその系譜-」を開催し、多くの方々にご観覧いただきました。企画展終了後、常設展への設置について各方面からご要望をいただいていることから、このたび、当館所蔵の出雲藍板締め版木と染色布を、常設展示室(総合展示室)に設置することにしましたので、お知らせします。

1.出雲藍板締めとは
 文様を彫った一対の版木の間に布を挟み、締め付けて染める染色技術を「板締め染」と呼びます。中国あるいはインドあたりが発祥地と言われており、日本では、古代の板締め染は「夾纈(きょうけち)」と呼ばれ、正倉院に多くの染められた布が宝物として収蔵されています。しかし、平安時代以降は廃れてしまい、室町時代の染め布の断片、そして時代が下がって江戸時代には藍で染める「藍板締め」と紅色に染める「紅板締め」が確認されているのみです。資料が少なく、技術も伝承されていないため不明な部分が多く、「板締め染」全体が[幻の染色]と表現されたりしています。

 昭和50年(1975)、出雲市大津町の板倉家から様々な文様が掘り込まれた大量の板が発見されました。研究者の調査により藍板締めの版木であることがわかり、我が国染史における世紀の大発見と言われたものです。

 版木は、板倉家より平成11年に島根県に寄贈されました。江戸時代後期から明治3年にかけて使用された版木が2,557枚ありますが、染色布は、断片の状態でわずか20点(うち4点を島根県が所蔵)が確認されているのみです。また、技術に関する記録も残されていません。


2.公開開始日と内容
(1)公開開始日・設置場所
   平成21年4月22日(水)から総合展示室において公開開始
(2)内容
   江戸時代の藍板締めとして全国で唯一確認されている「出雲藍板締め」に使用された版木9枚と染色布2点を、定期的に展示替えしながら公開します。また、全国で初めて試みた染色技術の再現課程をパネルで紹介します。

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