秘仏への旅--出雲・石見の観音巡礼--

　近畿圏を中心に三十三の観音霊場を順にめぐる「西国三十三所」は平安時代に始まり、室町時代以降とくに盛んになりました。これにならい、江戸時代には島根県の出雲地方・石見地方でも三十三か所の観音巡礼が行われました。
　この企画展では出雲・石見の観音霊場の本尊像や貴重な文化財が一堂に会します（重要文化財１１点を含む展示総数約７０点）。通常は寺院でも拝観できない「秘仏」も特別に公開される、またとない機会です。ぜひお見逃しなく。

■展覧会のみどころ
・島根県では平成元年（１９８９）以来の大規模な仏教美術の展覧会となります。
・島根県の仏教美術を代表する国の重要文化財１０点が出品されます。
・普段、寺院では秘仏として厨子内に安置され、三十三年に一度の開帳時等にしか拝観できない仏像が特別に公開されます。
・今回の展覧会に向けた学術調査により、新たに確認された指定文化財級の仏像多数が寺外初公開されます。
・なかでも石見最古の仏像である美郷町定徳寺の銅像観音菩薩立像については、像容のよく似た法隆寺の銅像観音菩薩立像（国・重要文化財）が特別出品されることとあわせ、新発見の意義を来館者ともに考える機会となります。
・普段、奈良や京都の国立博物館に寄されている仏像・仏画が平成９年以来、１１年ぶりに里帰り展示されます。
・明治時代に廃寺となった勝達寺（益田市）伝来の木造不動明王坐像（現在は神奈川県極楽寺所蔵　平安時代　国・重要文化財）が平成元年以来１９年ぶりに里帰り展示されます。

■展示一覧ＰＤＦ（13KB）

■奈良・法隆寺の仏像の特別出品について

■会期：２００８年１０月４日（土）～１１月３０日（日）
■開館時間：１０月３０日まで午前９時～午後６時
　　　　　　　１１月１日から午前９時～午後５時
（入館は閉館３０分前まで）
■会期中の休館日：１０月２１日（火）、１１月１８日（火）
■会場：島根県立古代出雲歴史博物館特別展示室
■主催：島根県立古代出雲歴史博物館
■特別協力：出雲三十三観音霊場会・石見曼荼羅観音霊場会
■後援：出雲の国「社寺縁座の会」・中国観音霊場会・朝日新聞松江総局・毎日新聞松江支局・読売新聞松江支局・産經新聞松江支局・中国新聞社・山陰中央新報社・新日本海新聞社・島根日日新聞社・NHK松江放送局・BSS山陰放送・日本海テレビ・山陰中央テレビ･エフエム山陰・山陰ケーブルビジョン株式会社・出雲ケーブルビジョン・ひらたCATV株式会社

聖観音菩薩像
　雲南・峯寺蔵

銅造観音菩薩立像
　三郷・定徳寺蔵（寺外初公開）

長谷寺（出雲札所１番）