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企画展「島根の神楽」~芸能と祭儀~

神楽(かぐら)は島根県内に濃厚に分布している民俗芸能であり、大きく分けると出雲・石見・隠岐と旧国ごとに特徴ある神楽が分布しています。こうした島根県内の神楽について現在伝わっている内容を各国ごとに紹介します。
また、その中に含まれる特長的ないくつかの要素について、県外のものをも関連付けて取り上げ展示します。


■会期:2010年2月5日(金)~4月4日(日)
■会期中の休館日:2月16日(火)、3月16日(火)
■開館時間:午前9時~午後5時(3月からは午前9時~午後6時)
         ※入館は閉館30分前まで
■会場:島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室
■主催:島根県立古代出雲歴史博物館・島根県古代文化センター
■後援:朝日新聞松江総局、毎日新聞松江支局、読売新聞松江支局、産経新聞松江支局、中国新聞社、山陰中央新報社、新日本海新聞社、島根日日新聞社、NHK松江放送局、BSS山陰放送、日本海テレビ、山陰中央テレビジョン、エフエム山陰、山陰ケーブルビジョン株式会社、出雲ケーブルビジョン株式会社、ひらたCATV株式会社

●観覧料は以下の通りです。
 当日券団体券前売券
一般企画展700円560円550円
セット券1,000円800円800円
大学生企画展400円320円 -
セット券600円480円 -
小中高生企画展200円160円 -
セット券300円240円 -

※団体は20名以上です。
※セット券とは、常設展を含めたチケットのことです。
※小・中・高生の学校教育活動での観覧は無料(観覧料減免申請書の提出が必要)です。
※障がい者手帳をお持ちの方、及びその付添人(手帳保持者1人につき、1人まで)は無料です。
古代出雲歴史博物館年間パスポートでご覧いただけます。


動画の泉


※動画の泉は、島根県の歴史と文化を動画で紹介するサイトです。(※クリックして下さい。)
古代文化センターで平成5年以来記録撮影してきた佐陀神能や大元神楽などの神楽の映像がご覧いただけます。


展示構成《展示品一覧表のダウンロード 約25KB》
1.プロローグ 神楽への招待
島根県内における神楽団体のドットマップを提示し、約250団体もあるその団体の分布の現況を示します。
「神楽」という芸能の成り立ちと変遷について大まかな説明をパネルにて行い、以後の展示を見るための基礎知識とします。

2.県内三国の神楽世界
(1)石見[IWAMI]の神楽
石見地方の神楽は、随所に修験的な遺風をあちこちに残しています。石見神楽は最初に神事舞・儀式舞を幾つか行い、やがて着面の神楽能に入っていきます。華やかな数々の神楽能の区切れには四人の儀式舞が入り、最後は「五郎の王子」で終わります。一連の神楽の構成を道具類(面・採物・衣裳など)、等身大人形、写真等を用いて表現します。
石見神楽の拡大バージョンというべき式年の大元神楽。その実物大舞台を設置し、大元神楽独特の神事儀式を舞台上スクリーンに表示します。
また、石見の国・県指定神楽の短編ビデオ作品を連続放映し、生神楽の雰囲気を再現します。

(2)出雲[IZUMO]の神楽
出雲の神楽は、はじめに「七座神事」として採物舞をまとめて行います。それが終わると神楽能が連続して続きます。神楽能の始めには出雲神楽にしかない「式三番」の段が入ります。採物舞を神楽能とは区分され、全体構成が明確に整理されています。そして最後は「日御碕」で終わる風習があります。
こうした整理・改正は佐陀神能を規範として近世初頭から行われたと考えられます。それゆえ「七座」は佐陀神能に最も典型的に七種の採物舞として保持されています。佐陀の「七座」と、各団体の神楽能を紹介します。
また、出雲の国・県指定神楽の短編ビデオ作品を連続放映し、生神楽の雰囲気を再現します。

(3)隠岐[OKI]の神楽
隠岐の神楽には、祈祷神楽の「御注連神楽」と奉納神楽の「儀式三番八乙女神楽」の二種があります。(現在では「御注連神楽」はほとんどなく、「儀式三番八乙女神楽」が主)。
神楽の全体構成は、[1]前座[2]儀式三番[3]注連行事(略式なら神上げ)となり、儀式舞の間に神楽能が挟まれた形式になっています。
隠岐神楽は出雲・石見と違って明治以前は神職神楽ではなく、神楽太夫の「社家」が保持してきたという特色があります。また今でも巫女が重要な役割を担っているのも特色です。本土側の神楽に比べて芸能は素朴ですが、儀式的には厚い傾向があります。
ここでも隠岐の県指定神楽の短編ビデオ作品を連続放映し、生神楽の雰囲気を再現します。

3.神楽の諸相
ここでは、神楽の要素ごとに特集展示してきます。

(1)様々な八岐大蛇
島根県の神楽で花形となっている「八岐大蛇退治」の舞。各地でさまざまなスタイルの大蛇があります。ここでは、大蛇の姿を実物展示します。具体的には石見神楽の提灯蛇胴の大蛇。奥飯石神楽の幕蛇。出雲神楽一般のトカゲ蛇。佐陀親王の立ち大蛇。島前神楽の座り大蛇。

(2)荒平の系譜
「荒平」は安芸十二神祇に登場する鬼であり、その舞は天正年間の神楽台本に登場する最古級の神楽能。出雲・石見でも「荒平舞」は内容を変えながらも今も神楽の中に存在しています。ここでは、中国地方に渡る「荒平」の様々な有り様を紹介します。

(3)浄土神楽の痕跡
中国地方では、かつては死霊を供養するための神楽が行われていました。最も遅くまで残っていたのは隠岐の葬祭神楽で、明治期まで行われていました。現況からは想像し難いかつての神楽のあり方や内容について、文字資料を主に紹介します。

(4)神楽に現れる藁蛇(わらへび)
中国地方の大掛かりな神楽には、藁で作った竜蛇が多く登場します。ここでは、島根県・広島県の神楽に使用される藁蛇類を紹介します。

4.エピローグ 神の声を聞く-詫宣(たくせん)
神懸りして託宣を伺うことは神楽祭祀の核心でした。島根県内には大元神楽と大原神職神楽に今も保持されています。ここでは、これら二様の神懸りと託宣の様を映像で紹介します。

《石見の神楽》井野神楽「鍾馗(しょうき)」
《石見の神楽》井野神楽「鍾馗(しょうき)」
《出雲の神楽》佐陀神能「大社(おおやしろ)」
《出雲の神楽》佐陀神能「大社(おおやしろ)」
《隠岐の神楽》島後久見神楽「先払(さきばらい)」
《隠岐の神楽》島後久見神楽「先払(さきばらい)」
関連講座(無料)
[題名]企画展解説「島根の神楽-芸能と祭儀-」への招待
[日時]2010年2月13日(土)13:30~15:00
[講師]古代出雲歴史博物館 専門研究員 中上 明
[定員]100名

[題名]中国地方の神楽と神がかり
[日時]2010年3月6日(土)13:30~15:00
[講師]民俗芸能学会代表理事 山路興造氏
[定員]100名

関連ワークショップ
[題名]神楽面をつくろう!
[日時]2010年3月14日(日)13:30~16:00
[料金]材料費1,000円+企画展観覧料
[定員]20名

[題名]《追加企画》ワークショップ「神楽面をつくろう!2」
[日時]2010年4月4日(日)13:30~16:00
[料金]材料費1,000円+企画展観覧料
[定員]20名

[題名]プルトップ大蛇をつくろう!
[日時]2010年4月4日(日)13:30~16:00
[料金]企画展観覧料
[定員]20名
特別神楽上演(無料)
有福神楽「神迎」
[上演]「安芸十二紙祇阿刀神楽と石見有福神楽」
[日時]2010年2月21日(日)13:00~16:45
[場所]大社文化プレイスうらら館 だんだんホール
     島根県出雲市大社町杵築南1338-9
[定員]600名
[詳細]https://www.izm.ed.jp/cms/event.php?mode=yoyakuadd&id=548


大土地神楽「八戸」
[上演]「出雲 大土地神楽」
[日時]2010年3月21日(日)
  10:00~12:00 演目《八千矛、日本武》
  13:00~15:00 演目《八千矛、野見宿禰》
[場所]古代出雲歴史博物館 風土記の庭
[定員]無し



赤塚大蛇
[上演]「出雲 赤塚神楽」
[日時]2010年3月22日(月・祝)
  10:00~12:00 演目《塩清め、五行、悪切り、荒神》
  13:00~15:00 演目《茅の輪、山の神、大蛇》
[場所]古代出雲歴史博物館 風土記の庭
[定員]無し



島前神楽「切部」
[上演]「隠岐島前神楽」
[日時]2010年3月28日(日)
  13:30~15:00 演目《幣帛舞、巫女舞、隋神能、切部》
[場所]古代出雲歴史博物館 風土記の庭
[定員]無し

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