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古事記編纂1300年
企画展「古代出雲の壮大なる交流」  ―神々の国を往来した人と文物―

出雲といえば、今日の感覚では、島根県出雲地方に限定されたイメージでとらえられがちである。また、出雲について、学界による研究成果は別として、一般的にはヤマト王権に圧倒され、逼塞(ひっそく)を強いられた閉鎖的な社会であり、「死者の国」というイメージでとらえられる場合が多い。

しかし、果たして本当にそうなのだろうか。
この展覧会では、神話伝承や出雲臣という氏族の分布形態から多様な出雲のバリエーションを明らかにし、さまざまな出雲が生まれるに至った歴史的背景をさぐる。
また、列島各地から出雲へと至る多様なルートを明らかにし、そのルートにのって、人・モノ・情報が活発に往来していたことを指摘し、古代出雲が外に向かって開かれた地域であったことを明らかにする。
展示品総数435点(うち、映像2点)。



■会期:2011年3月4日(金)〜5月16日(月)
 4月16日(土)より壮大な展示替え。第2幕が始まります。
  → [展示替えリスト]
■会期中の休館日:3月15日(火)、4月19日(火)
■開館時間:午前9時〜午後6時  ※入館は閉館30分前まで
■会場:島根県立古代出雲歴史博物館 特別展示室
■主催:島根県立古代出雲歴史博物館・島根県古代文化センター・山陰中央テレビ
◆後援:朝日新聞松江総局・共同通信社松江支局・山陰中央新報社・時事通信社松江支局・島根日日新聞社・新日本海新聞社・中国新聞社・毎日新聞松江支局・産經新聞松江支局・BSS山陰放送・日本海テレビ・エフエム山陰・NHK松江放送局・山陰ケーブルビジョン株式会社・出雲ケーブルビジョン株式会社


●観覧料は以下の通りです。

 当日券団体券前売券
一般企画展700円560円550円
セット券1,000円800円800円
大学生企画展400円320円 -
セット券600円480円 -
小中高生企画展200円160円 -
セット券300円240円 -

※団体は20名以上です。
※セット券とは、常設展を含めたチケットのことです。
※小・中・高生の学校教育活動での観覧は無料(観覧料減免申請書の提出が必要)です。
※障がい者手帳をお持ちの方、及びその付添人(手帳保持者1人につき、1人まで)は無料です。
古代出雲歴史博物館年間パスポートでご覧いただけます。


展示担当者より


企画展「古代出雲の壮大なる交流」、こんな楽しみ方もあります!学芸員M氏が語る(いずもる)

1)
古代出雲は、古墳時代以降も輝いていました、古代出雲は決して閉鎖的な地域ではありません。他地域との積極的交流で光り輝いていたのです。

2)
古代出雲はヤマトと敵対していたわけではありません。むしろ、ヤマトにとって、なくてはならない存在でした。

3)
出雲から他地域へと通ずる道は、海の道、山陰道、中国山地の3つです。この3つのルートに沿ってさまざまな人びとや文物が往来しました。近世以降の北前船、出雲街道のルートも古代出雲人が切り開いたのです。




展示構成

展示替えリスト



[第吃堯禄弍静世界のバリエーション

第1章 列島各地の出雲臣
「出雲臣」は、出雲国造として杵築大社(出雲大社)の神事に関わる一方、出雲国意宇郡の郡司であった。しかし、「出雲臣」は、出雲国だけではなく、北陸道の越前国・越後国、畿内の大和国・山背国(山城国)・河内国などにもいたことが、正倉院に伝わる奈良時代の古文書や平安時代に作られた『新撰姓氏録』、さらには木簡や墨書土器といった出土文字資料により判明する。

第2章 出雲臣のなりわい
出雲臣の子孫は、今日、出雲大社や出雲教といった宗教法人の代表をつとめ日々神事に奉仕している。前者は千家、後者は北嶋の姓を持ち、今日でもヤマト王権の時代の地方官であった出雲国造を名乗っている。
故に、出雲臣というと神事に奉仕する出雲の有力な首長といったイメージで理解されがちだが、列島各地の出雲臣の存在形態を見ていくと、それとは異なる姿があらわれる。

第3章 列島各地に残る出雲の神々の面影
ヤマタノヲロチを退治したスサノヲと国作りの偉業を成し遂げたオオナムチは、『古事記』の神話の中では英雄神である。これらの神々が活躍する神話は、「出雲系神話」と呼ばれている。ただし、これらの神々とその御子神達は、出雲を含めた山陰道諸国だけではなく、畿内や北陸道諸国、さらには東国の神社で祭られている。

第4章 出雲のイメージ



相撲生人形 野見宿禰と当麻蹴速<br>(熊本市現代美術館蔵 明治時代)<br>高さ170cm、横幅150cm、奥行き160cm<br><br>4月16日より展示<br><br>初代安本亀八の代表作。第三回内国勧業博覧会に出品される予定だったが、完成が遅れ、浅草寺境内に展示されていたところ、アメリカ人収集家が購入し、明治二十五(1892)年から平成十六(2004)年までデトロイトに保管されていた。<br>デトロイトで公開された際、地元の新聞は「東洋芸術の偉大なる勝利」(ザ・フリープレス)と絶賛した。
相撲生人形 野見宿禰と当麻蹴速
(熊本市現代美術館蔵 明治時代)
高さ170cm、横幅150cm、奥行き160cm

4月16日より展示

初代安本亀八の代表作。第三回内国勧業博覧会に出品される予定だったが、完成が遅れ、浅草寺境内に展示されていたところ、アメリカ人収集家が購入し、明治二十五(1892)年から平成十六(2004)年までデトロイトに保管されていた。
デトロイトで公開された際、地元の新聞は「東洋芸術の偉大なる勝利」(ザ・フリープレス)と絶賛した。
黄金塚2号墳出土 力士線刻鰭付円筒埴輪<br>(花園大学蔵)<br><br>鰭付円筒埴輪の鰭に線刻された力士像。頭頂部の飾り、両耳の勾玉、全身や両足の入れ墨など、呪術的な性格を持ち合わせた人物である。
黄金塚2号墳出土 力士線刻鰭付円筒埴輪
(花園大学蔵)

鰭付円筒埴輪の鰭に線刻された力士像。頭頂部の飾り、両耳の勾玉、全身や両足の入れ墨など、呪術的な性格を持ち合わせた人物である。
企画展キャラクター「ノミー」<br>黄金塚2号墳出土 力士線刻鰭付円筒埴輪をイメージしたもの<br><br>早川和子氏デザイン。展示室内のキャプションとして所々に見られる。十数種類の表現パターンがある。
企画展キャラクター「ノミー」
黄金塚2号墳出土 力士線刻鰭付円筒埴輪をイメージしたもの

早川和子氏デザイン。展示室内のキャプションとして所々に見られる。十数種類の表現パターンがある。

相撲生人形 野見宿禰と当麻蹴速について「ザ・フリープレス」の記事


[第局堯禄弍世悗瞭察出雲からの道

第1章 ノミノスクネが来た道
野見宿禰が出雲からやって来て大和の勇士と対決する話、殉死にかえて埴輪制作を提案した話などは、これまで信ずるに足らない伝承とされてきた。

第2章 北ツ海の交流
『日本書紀』の垂仁紀や『出雲国風土記』によれば、日本海は「北ツ海」と呼ばれていた。この「北ツ海」における交流の担い手は海人である。
海人はヤマト王権の支配を受けるようになり「海部」という部民に編成された。
『日本書紀』によれば、祟神天皇の時代に出雲の神宝を大和の使者に見せるか否かをめぐって出雲国内で対立が起こり、大和から出雲に討伐の軍が派遣され、出雲の祭祀が中断したという。その祭祀を復活させるために重要な役割を果たしたのが丹波の人物だった。

第3章 律令制下におけるルートと情報伝達
律令制国家が成立すると都城と地域社会は七つの官道で結ばれる。山陰道もその一つである。それは丹波国・但馬国・因幡国・伯耆国を経由して出雲へと入る道である。
しかし、注意すべきは、瀬戸内海沿岸を途中まで山陽道を進み、播磨国から美作国を経由して、因幡国あるいは伯耆国に出て出雲へと向かうルートも存在したことである。

第4章 日本海・山陰道・出雲街道を往来した人びと
出雲街道を往来した人物として知られているのは、後鳥羽上皇と後醍醐天皇である。いずれも鎌倉幕府の倒幕に失敗して隠岐に流される途中に利用したと考えられる。
安土桃山時代には、丹後国の大名細川幽斎(藤孝)が秀吉の九州攻めに従軍するために山陰道や日本海を旅している。

宝塚1号墳出土 船形埴輪<br>(松阪市教育委員会蔵 全長140cm)<br><br>二の円筒台を含めた重量が72kgもある一体成形型の舟形埴輪。<br>船上には、威杖や蓋、大刀などの艤装がなされ、全体に赤色顔料が塗られている。
宝塚1号墳出土 船形埴輪
(松阪市教育委員会蔵 全長140cm)

二の円筒台を含めた重量が72kgもある一体成形型の舟形埴輪。
船上には、威杖や蓋、大刀などの艤装がなされ、全体に赤色顔料が塗られている。
因幡堂薬師縁起絵巻レプリカ<br>(鳥取県立博物館蔵)<br><br>国守赴任を描いた絵。主人公は因幡守橘行平で輿の中。山陽道から中国山地を山越えして因幡へと向かう山道を描いたもの。縁起によれば、薬師如来の利益で国守になれたという。
因幡堂薬師縁起絵巻レプリカ
(鳥取県立博物館蔵)

国守赴任を描いた絵。主人公は因幡守橘行平で輿の中。山陽道から中国山地を山越えして因幡へと向かう山道を描いたもの。縁起によれば、薬師如来の利益で国守になれたという。
伝奈良県天理市柳本町渋谷出土石枕<br>(関西大学博物館蔵 重要文化財)<br><br>古くから渋谷向山古墳(伝景行陵)出土の伝承がある碧玉製の優品。馬蹄形系統の独立型石枕の祖形とも考えられ、「Ω」形の彫り込み、鋸歯文や突帯文など装飾性に富む。
伝奈良県天理市柳本町渋谷出土石枕
(関西大学博物館蔵 重要文化財)

古くから渋谷向山古墳(伝景行陵)出土の伝承がある碧玉製の優品。馬蹄形系統の独立型石枕の祖形とも考えられ、「Ω」形の彫り込み、鋸歯文や突帯文など装飾性に富む。

関連講座


・[第1回] 古代出雲は白鳥の国だった!-ホムチワケ伝説の謎に迫る-
 [日時] 2011年3月5日(土)13:30〜15:30
 [講師] 和田萃氏(京都教育大学名誉教授)
  →お申し込み

・[第2回] ダイコクさんのもう一つのふるさと、播磨
 [日時] 2011年3月19日(土)13:30〜15:30
 [講師] 坂江渉氏(神戸大学特命准教授)
  →お申し込み


・[第3回] 金ぴかのベルトを運んだ海人たち
 [日時] 2011年4月16日(土)13:30〜15:30
 [講師] 中司照世氏(元福井県埋蔵文化財センター所長)

  →お申し込み

・[第4回] 神々の国、出雲へ入った仏サマの文化
 [日時] 2011年4月23日(土)13:30〜15:30
 [講師] 妹尾周三氏(東広島市教育委員会文化課課長補佐)
  →お申し込み

・[第5回] 古代出雲は輝いていた!-驚異のイズモワールド-
 [日時] 2011年5月7日(土)13:30〜15:30
 [講師] 森田喜久男(島根県立古代出雲歴史博物館 専門学芸員)
  →お申し込み

企画展キャラクター「ノミー」


 
島根県立古代出雲歴史博物館 (開館時間アクセス)
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